社債、株式等の振替に関する法律

社債、株式等の振替に関する法律について

「社債、株式等の振替に関する法律」（以下、「法」といいます。）は、社債や株式などの有価証券の振替制度について定めた日本の法律です。この法律は、有価証券の流通を円滑化し、投資家を保護することを目的としています。

制定の背景

1942年に制定された「社債等登録法」を現代の社会経済情勢に適合させるため、2001年に「短期社債等の振替に関する法律」として制定されました。その後、2004年の改正により、株券等の保管及び振替に関する法律の改善措置の一環として株式の振替制度が導入され、現在の「社債、株式等の振替に関する法律」という名称に変更されました。

所管官庁

本法の所管官庁は法務省民事局であり、金融庁企画市場局市場課および監督局証券課ではありません。

法律の構成

この法律は、全14章で構成されており、主な内容は以下の通りです。

第1章：総則

目的および定義を規定しています。ここでいう「社債等」には、社債（新株予約権付社債を除く）、国債、地方債、保険業法に規定する相互会社の社債、投資信託および投資法人に関する法律に規定する投資信託または外国投資信託の受益権、資産の流動化に関する法律に規定する特定目的信託の受益権、信託法に規定する受益証券発行信託の受益権、外国または外国法人の発行する債券に表示されるべき権利、株式、新株予約権、新株予約権付社債、その他政令で定める有価証券などが含まれます。

第2章：振替業

振替機関、加入者集会、口座管理機関等について規定しています。
振替機関：主務大臣の指定を受けた株式会社であり、取締役会、監査役会または委員会、会計監査人の設置が義務付けられています。また、振替業を健全に遂行できる財産的基礎を有し、収支見込みが良好であることが求められます。
口座管理機関：法により口座の開設を行った者や、口座開設を求められた振替機関を指します。振替機関の定める業務規程に基づき振替業務を行い、振替口座簿の具備が義務付けられています。

第3章：加入者保護信託

加入者保護信託について規定しています。
加入者：社債等の振替を行うために口座を開設した者を指し、振替機関または口座管理機関は加入者との間で加入者保護信託契約を締結する義務があります。

第4章～第12章：各種有価証券の振替

第4章：振替社債について
第5章：国債の振替について
第6章：地方債、投資法人債、相互会社の社債、特定社債、特定法人債などの振替について
第6章の2：受益証券発行信託の受益権の振替について
第7章：株式の振替について
第8章：新株予約権の振替について
第9章：新株予約権付社債の振替について
第10章：投資口等の振替について
第11章：組織変更等に係る振替について
第12章：その他の有価証券に表示されるべき権利の振替について

第13章：雑則

第14章：罰則

関連法規・制度

金融商品取引法
証券市場
東京証券取引所
証券保管振替制度

外部リンク

* 証券保管振替機構

この法律は、日本の金融市場において、有価証券の取引を円滑に進める上で非常に重要な役割を果たしています。投資家は、この法律の仕組みを理解することで、より安心して有価証券の取引を行うことができます。

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