祖父江寛

祖父江寛は、1904年1月9日に愛知県名古屋市で生まれ、1979年2月14日に亡くなった日本の応用化学者です。

東京帝国大学（現在の東京大学）工学部応用化学科を卒業後、東京工業大学で教鞭を執りました。講師を経て助教授に昇進し、1936年からは海外留学で羊毛やアルカリセルロースの研究に携わりました。イギリスでの羊毛研究後、ドイツに渡りアルカリセルロースの研究に取り組みました。

1939年に帰国してからは、海外での研究経験を活かし、合成繊維（アルカリ繊維素）の研究に注力しました。この研究により、1941年に理学博士の学位を取得。翌年には東京工業大学で教授に昇進しました。1948年には母校である東京大学に戻り、教鞭を執りました。

1964年からは成蹊大学に移籍し、1974年の定年退職まで同大学で教鞭を執りました。成蹊大学在職中には高分子学会の会長を、東京大学在職中には繊維学会の会長を務め、学会の発展にも貢献しました。研究者としてだけでなく、教育者、学会のリーダーとしても日本の化学界に大きな足跡を残しました。

1959年には、その功績が認められ日本化学会賞を受賞しています。

著書には『高分子化学』や『新しい合成繊維』があり、これらは高分子化学や合成繊維分野の学習に貢献しています。

祖父江寛は、応用化学研究、特に合成繊維の分野で大きな功績を残した人物です。その研究は、日本の化学工業の発展に大きく貢献しました。多磨霊園に眠っています。

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