祝だいこん

祝だいこん

祝だいこん（いわいだいこん）は、アブラナ科の根菜で、奈良県在来のダイコンの品種です。主に正月の雑煮に使われることから、奈良県の伝統野菜「大和野菜」の一つとして認定されています。

歴史

祝だいこんは、奈良県で正月の雑煮用として古くから栽培されてきたダイコンで、四十日大根から選抜された品種だと考えられています。奈良市奈良阪町では、大正時代の終わり頃から栽培が始まったとされています。

1991年（平成3年）に、奈良県農林部によって「大和まな」と共に「祝だいこん」の栽培が奨励されました。しかし、この取り組みは一時中断されました。その後、2005年（平成17年）10月5日に、奈良県で古くから作られてきた伝統野菜として「大和野菜」に選定され、改めてその価値が見直されました。県内では「雑煮だいこん」と呼ばれていましたが、大和野菜に認定されたことを機に、縁起の良い「祝だいこん」という名前に改められました。

特徴

祝だいこんは、長さが約20～30cm、直径が約3cmと細長い形状をしています。根が曲がりやすいため、栽培には手作業で丁寧に土寄せを行う必要があります。肉質は緻密でしっかりとしており、煮崩れしにくいのが特徴です。また、独特のコリコリとした食感も楽しめます。

産地

主な産地は、奈良市、宇陀市、高市郡明日香村です。収穫時期は12月下旬の一時期のみで、年末の需要に合わせて出荷されます。そのため、店頭で見かけることができるのはこの時期に限られ、その他の時期にはほとんど流通しません。

利用法

祝だいこんは、透き通るような白い肌と「細く長く」伸びる形状が特徴で、輪切りにした時の切り口が真ん丸であることから「家庭円満」につながる縁起の良い食材とされています。そのため、奈良県では雑煮に欠かせない食材の一つとされています。煮しめにも使われます。

大和の雑煮は、白味噌仕立てで、祝だいこん、人参、里芋、角を削ぎ落とした豆腐、焼いた丸餅を具材とします。具材は全て輪切りにするか丸のまま使うため、輪切りにしたときにちょうど良い大きさになる祝だいこんは重宝されます。また、雑煮の餅を椀から取り出し、きな粉砂糖をまぶして食べる習慣もあります。

さらに、炒め物にすれば、葉の部分まで美味しく食べることができます。

その他

関連項目

大和野菜
ダイコン

外部リンク

* 祝いだいこん　奈良県公式ホームページ内

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