神の抵抗軍

神の抵抗軍（LRA）

概要

神の抵抗軍（LRA）は、1987年にジョゼフ・コニーによって設立されたウガンダの反政府武装勢力です。その活動は主にコンゴ民主共和国東部、ウガンダ北部、南スーダンに及び、ウガンダ政府軍との紛争は長期にわたるアフリカの問題の一部となっています。コニーは自らを霊媒と称し、十戒の履行とアチョリ文化に基づく国家を目指しています。2000年代後半にウガンダ軍の掃討によりその勢力は減少しましたが、依然として殺人や襲撃を行い、特に子供に対する犯罪が深刻な状況にあります。

歴史

背景

ウガンダ内戦は、1986年にアチョリ出身の大統領が政権を失った後に始まりました。この時、アチョリの人々は伝統的な国軍の支配を失うことに対して恐れを抱き、反政府運動に立ち上がりました。

初期の抵抗

1987年、コニーは聖霊運動に基づいて現れ、元軍人を集めてゲリラ活動を開始しました。初期にはNRA軍も残忍な行動を行っており、LRAは一部のアチョリから支持を受けていました。しかし、政府の「北部作戦」が始まると、LRAへの支持は次第に失われました。交渉も試みられましたが、コニーの信頼性に疑念を持つ政府は進展を見せませんでした。

国際的な影響

1994年からLRAはスーダン政府から支援を受け、民間人を標的とした攻撃を強化しました。特に、殺人や集団誘拐が日常化し、子供たちが拉致され、少年兵として使われたり、性的奴隷にされたりする事例が増加しました。LRAの犯罪行為と虐殺は国際的な非難を引き起こしました。

ガランバ攻勢

2008年から2009年にかけて、アメリカの支援を受けたLRA掃討作戦が行われたものの、LRAは依然として危険な存在です。2012年には、ウガンダ軍によってLRAの幹部が拘束されるなど、一定の成果はありましたが、問題は解決されていません。

戦争犯罪

国際刑事裁判所によれば、LRAによって拉致された子供の数は20,000人を超え、そのほとんどは11歳から15歳の少年兵となっています。彼らは非人道的な行為を強制され、女性は性的搾取の危険にさらされています。ウガンダ政府は2003年に国際刑事裁判所にこの問題を報告し、2005年には複数のLRA幹部に対する逮捕状が発行されました。名指しされたコニーは今なお逃亡を続けています。

2010年には、ヒューマン・ライツ・ウオッチがLRAによる民間人320人以上の殺害を報告しました。このような状況が続く中、国際社会もその解決を求めています。2021年にはLRAの幹部が有罪判決を受け、国際的な正義の追求が進みましたが、LRAの脅威は依然として国際社会にとっての重大な懸念です。

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