神の贈り物

書籍概要

『神の贈り物』（かみのおくりもの）は、テーブルトークRPG『アルシャードガイア』のリプレイ作品であり、執筆とゲームマスターを稲葉義明が担当しています。本作は2006年から2007年にかけて『Role & Roll』誌にて連載され、続編「天蓋の城」と合わせて2007年4月にファミ通文庫から発行されました。イラストは、安達洋介とぽぽるちゃが担当しており、作品に華やかなビジュアルを添えています。

概要

本リプレイは、2006年10月に出版された『アルシャードガイア上級ルールブック』の紹介を兼ねています。物語は奈落と呼ばれる異界の存在と戦うプロフェッショナルたちの冒険を描き、プレイヤーキャラクターたちは17レベルという高いレベルから物語に挑むこととなります。この高レベル設定は、過去のリプレイ作品に見られたものと同様であり、特にプレイヤーたちが経験豊富なクエスターであることを意義付けています。

ストーリーは、一般的な「身近な知人を助ける」ようなテーマから離れ、大規模で複雑なプロットへと進化しています。秘密結社同士の陰謀や、タイムパラドックスを含んだSF要素が盛り込まれ、緊迫感ある展開が続きます。物語には、一般人の大量死のシーンも含まれ、ダークな雰囲気を醸し出します。

あらすじ

第一話：神の贈り物

物語の舞台は2007年、東京が奈落に呑み込まれた未来です。歴史を変えるため、時間管理局はエージェント・トキノ・ケイを派遣します。彼女の任務は、東京を奈落化の理由となった人物「嘉神朋也」に接触し、事を阻止することです。一方、朋也は自分のシャードから見捨てられ、荒廃した日々を送っていました。サジッタ社からの依頼で「パンドラの箱」の護送任務に取り組む朋也の前に、謎の少女ファムが現れます。

彼女は朋也に惹かれるように接触し、その出会いが一連の事件を引き起こすこととなります。

第二話：天蓋の城

物語は再び2007年に戻り、新しい特異点が誕生しています。新たな特異点の発生に対応するため、ケイは再び東京へ向かい、特異点を引き起こした「黄金の林檎」を巡っての混乱が広がります。一方、アトラス・タワーの落成式が行われ、その内部から奈落の魔物ラドンが現れ、タワーは一夜にして奈落の城と化してしまいます。プレイヤーキャラクターたちは、この危機に立ち向かうため、決死のミッションに挑むことになるのです。

登場人物

本作の主要キャラクターには以下の者たちがいます：

• - 嘉神朋也：元クエスターで日本古来の呪術を使う魔術師。シャードを失い、苦境に立たされています。
• - トキノ・ケイ：未来から来た少女で、時間管理局のエージェント。朋也の遠い子孫でもあり、物語を進める重要な役割を担います。
• - ファム：パンドラの箱のアバターで、朋也を守るために奮闘します。
• - クロード・L・クエスター：トレジャーハンターの一族の当主であり、冒険心に溢れたキャラクターです。

その他、ノンプレイヤーキャラクター（NPC）としてファムの他に、香里紅衣やアルミナ・エッシェンバッハが登場し、それぞれが物語に深く関わります。

用語解説

• - パンドラの箱：神秘的なアイテムで、多くの肉体や精神を宿すシャードが封印されています。
• - アトラス・タワー：特異な建築物で、奈落から東京を守るための魔術拠点として建設されましたが、他の意図も秘められています。

本作は、キャラクターたちの成長や物語の進展を通じて、プレイヤーと読者の心を惑わせる魅力的なストーリーとなっています。

もう一度検索