神品 (正教会の聖職)

神品（しんぴん）について

神品は、正教会における聖職者の称号であり、特に日本正教会で使われる用語です。この用語は、神品機密に基づき主教から叙聖を受けた人物を指します。神品には、主に以下の三つの種類があります：

• - 主教（主教品）
• - 司祭（司祭品）
• - 輔祭（輔祭品）

副輔祭や誦経者などは神品には含まれません。輔祭の職に就く前に結婚することが可能であり、正教会では輔祭及び司祭が妻帯することが認められています。

神品の叙聖の流れ

正教会の聖職者は、必ず輔祭から司祭、そして主教の順に叙聖されます。このため、いきなり主教として叙聖されることはありません。ただし、まれに主教や司祭として即座に見なされることもありますが、その際も形式的には輔祭・司祭として一旦叙聖され、数日から数週間の後に昇叙されることがあります。

主教には総主教、府主教、大主教、主教という階級があり、司祭にも首司祭、長司祭、司祭があります。輔祭の中でも首輔祭、長輔祭、輔祭に細分されますが、「長輔祭叙聖」という特定の叙聖の手続きは存在しません。これらの役職は叙聖ではなく、主教の祝福によって成り立つ昇叙によって実現します。

輔祭から司祭への道

輔祭から司祭に叙聖される場合、長輔祭である必要はありません。実際、長輔祭は長年輔祭として務めてきた者が大多数で、輔祭職に特化した生涯を送る人々が多いです。彼らが司祭に叙聖されることは稀です。

特に、スラヴ系正教会では、奉神礼や輔祭朗誦において優れた示範を見せる輔祭が司祭に叙聖されず、一生輔祭の地位で奉職することもあります。彼らは年功や功績により長輔祭として昇叙されることもあり、時には大聖堂の礼拝のコーディネーターとして尊敬を特に集めることもあります。これは正教会における位階の単純な上下関係を示している秀逸な例です。

妻帯について

正教会において、輔祭および司祭は結婚が認められていますが、妻帯は輔祭叙聖の前に行われなければなりません。叙聖後の結婚や離婚、死別後の再婚は認められず、特に妻帯する聖職者が多いのが一般的です。日本正教会でも、輔祭や司祭のほとんどが結婚しています。

一方で、主教は妻帯することはできません。主教は修道士の中から選ばれることが原則であり、稀に妻帯者が主教に選ばれることがありますが、それは他に適任者がいない場合に限られています。この場合、主教となる者は妻との関係を解消する必要があります。

修道系の聖職者

修道士が輔祭または司祭に叙聖された場合、それは修道輔祭および修道司祭と呼ばれます。修道院を管理する修道司祭や、信頼される修道司祭は典院または掌院に昇叙されることがあるため、修道士でない聖職者はこれに該当しません。

自給輔祭

自給輔祭とは、世俗において職業を持ちながら輔祭として教会に奉仕する者を指します。日本正教会では、多くの輔祭がこの自給輔祭の形態で奉職しています。これにより、彼らは神品の役割を果たしつつ、現実の生活も営むことが可能となっています。

結びの言葉

神品の制度は、宗教的な信念と結びついており、聖職者の役割とその位置付けについて深い理解をもたらします。このように正教会の神品制度は、単なる位階のシステムを超えた、信仰と奉仕の重要な要素を含んでいます。

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