神品機密

神品機密の概要

神品機密（しんぴんきみつ）は、正教会における重要な儀式で、主教、司祭、輔祭といった聖職者を任命するための行事です。特にこの儀式は、主教が新たに聖職者を叙聖する際に執り行われ、教会における聖なる役割を担う人々を供給します。主教が新しい聖職者の頭に手を置き、特別な祝福を行うことで、その人物が神品に任じられます。この過程は、聖体礼儀の中で行われるため、特に神聖な意味を持ちます。

正教会の神品の役割

正教会における神品には、主教、司祭、輔祭の三つの位階が存在します。これらの神品は、イエス・キリストの代理人としてではなく、むしろキリストの臨在を証明する役割を果たすとされています。神品のメンバーは、それぞれの役割に応じて教会の中で重要な機能を果たします。

主教は、教会全体を監督する役割を持っており、他に上位の教役者は存在しません。新たに叙聖される主教は、通常、複数の主教からの手によって任命されます。こうした多重の叙聖は、聖職者の役割がいかに重要であるかを示しています。

神品機密の実施

神品機密は、聖体礼儀の特定の部分で執り行われます。この際、聖職者になる者の祝福を受けたあと、教衆が「アクシオス」と三度呼びかけ、新しい聖職者への承認を表明します。これは、聖職者の任命が共同体の支持を受けていることを示す重要な場面です。

叙聖と昇叙

新しい聖職者が任じられる過程は「叙聖」（じょせい）として知られています。叙聖の際には「主教甲が乙を叙聖する」と記述し、この儀式が聖なる重要なものであることを示します。一方、昇叙（しょうじょ）は、既存の神品の中での地位の向上を指し、たとえば主教から大主教に、司祭から長司祭にといった形で行われます。この場合は、神品機密ではなく、昇叙の祝福が主教によって与えられます。

妻帯と神品

神品には、聖職者が妻帯することが許されている点も特長です。輔祭および司祭は結婚ができますが、神品を受けた後に結婚することはできません。また、既婚の聖職者が死別した際の再婚も許可されていません。正教徒の文化においては、司祭の妻は「マトシカ」と呼ばれ、信徒たちから大いに尊敬されています。

修道士と主教

中世以降、主教に就くためには修道士であることが条件とされています。一方で、結婚した聖職者は妻帯をすることが一般的で、死別後に修道士になることもあります。高位の修道司祭には、掌院や典院という称号が存在し、掌院は修道院の監督役を担います。

まとめ

このように、神品機密は正教会において聖職者を任命するために重要な儀式であり、その意義は教会の伝統と教義に根付いています。正教会の神品制度は、コミュニティの信仰の表現として、深い尊敬と霊性を持っています。

もう一度検索