神塚淑子

神塚淑子

神塚淑子（かみつか よしこ、1953年2月13日 - ）は、日本の著名な中国哲学研究者であり、特に道教研究の分野で卓越した業績を上げています。学位は博士（文学）（東京大学・1997年）。名古屋大学名誉教授。

略歴

兵庫県姫路市で生まれ、兵庫県立姫路西高等学校を卒業後、1971年に東京大学教養学部文科Ⅲ類に入学し、中国語を学びました。1973年には文学部I類中国哲学専修課程に進み、中国哲学の研究に本格的に取り組みました。

1975年に東京大学文学部I類中国哲学専修課程を卒業。卒業論文では『隋書』経籍志の研究に取り組みました。同年4月、東京大学大学院人文科学研究科修士課程中国哲学専門課程に進学し、福永光司教授の指導のもとで道教研究に打ち込みました。修士課程では沈約の思想を研究し、1977年に修士課程を修了。その後、同研究科博士課程に進学しましたが、1979年に博士課程を中途退学し、東京大学助手（文学部中国哲学研究室勤務）に就任しました。

1981年、麥谷邦夫教授の京都大学人文科学研究所への転任に伴い、名古屋大学教養部の講師に就任。1986年に助教授、1993年には同大学情報文化学部の助教授に昇任しました。1997年には、「上清派を中心とする六朝道教の研究」で東京大学から博士（文学）の学位を取得。1999年に教授に就任し、2003年からは名古屋大学大学院文学研究科教授を務め、2018年に定年退職されました。

名古屋大学においては、評議員や副研究科長などの要職を歴任し、大学運営にも貢献しました。また、学外では、日本中国学会副理事長、東方学会理事、日本道教学会理事など、多くの学会で要職を務め、中国学研究の発展に尽力しました。

著書

神塚淑子先生は、道教思想に関する多数の著書を執筆されています。主な著書としては、以下のようなものがあります。

『六朝道教思想の研究』（創文社、1999年）
『老子―道への回帰　書物誕生』（岩波書店、2009年）
『道教経典の形成と佛教』（名古屋大学出版会、2017年）
『道教思想10講』（岩波新書、2020年）

また、戸川芳郎氏との共訳で『文選（下）』（学習研究社、1985年）も手がけています。

これらの著書は、道教思想の研究において重要な貢献を果たしており、多くの研究者や学生に読まれています。

参考文献

* 「神塚淑子教授 略歴・業績」『名古屋大学人文学研究論集』第1巻、名古屋大学人文学研究科、2018年3月31日、9-16頁、doi:10.18999/jouhunu.1.9。

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