神夢想林崎流

神夢想林崎流の概要

神夢想林崎流（しんむそうはやしざきりゅう）は、林崎重信によって開かれた居合術の流派であり、特に日本の武道の中で重要な位置を占めています。居合術は日本の伝統武道の一つで、刀を使用して迅速かつ正確に敵に対応する技術を指します。この流派は、弘前藩に伝わる林崎新夢想流と密接な関係があり、林崎流や林崎夢想流とも呼ばれていますが、流祖である林崎甚助自身は特定の流派名を名乗っていません。

流祖 林崎甚助の生涯

林崎甚助重信は約450年前の永禄2年（1559年）に、林之明神に百ヶ日参篭を誓願し、家伝の大剣を腰に帯びて抜刀の技を日々磨き続けました。満願を迎えた際、神が夢の中に現れ、抜刀の秘術である卍抜を授けられたとされています。この体験を通じて、彼は居合の秘技を習得し、さらには各地を巡り、鹿島や香取の武道に磨きをかけました。特に、塚原卜傳からは鹿島新當流の最高秘技を学び、これが神夢想林崎流の開創につながっています。

居合の極意

この流派における居合の極意は、神速の応変にあり、敵気を感じないままに行う一瞬の動作を重視します。敵を前にして放つ抜付は、相手の動きを制し、決して間が抜けたものではないとされています。居合の真髄は電光石火の間にあり、剣と禅の境地が一体となることによって成し遂げられると考えられています。重要な教えとして、三尺三寸の刀を持つことで、九寸五分の小刀にも勝てるという信念も示されています。

現在の状況

現在においても、弘前藩の小野派一刀流剣術に併伝されている居合は神夢想林崎流として知られることがありますが、これは一宮流系の林崎新夢想流の系統に属するものです。また、林崎新夢想流は現在『林崎夢想流』としても知られています。さらに、林崎甚助が生まれ育った山形県村山市には、彼を祀る林崎居合神社が存在し、今でも多くの人々に尊敬と敬意をもって参拝されています。

神夢想林崎流は、単なる武道の流派にとどまらず、日本の武道文化の重要な遺産であり、流祖林崎甚助の精神や教えが今も生き続けていることを示しています。

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