神奈川県立丹沢大山自然公園

神奈川県立丹沢大山自然公園

神奈川県立丹沢大山自然公園は、神奈川県西部の丹沢山地に位置する県立の自然公園です。この公園は、1960年に指定を受け、以来、神奈川県の貴重な自然環境を保護する役割を担っています。現在の総面積は11,355ヘクタールに及びます。この公園の特色の一つは、国の指定する丹沢大山国定公園の外側、あるいは周辺部に位置している点です。これにより、国定公園の緩衝地帯としての機能も果たしつつ、広範囲にわたる自然景観と生態系の保全に貢献しています。

公園の範囲

公園の区域は、神奈川県の広範囲にまたがっています。具体的には、足柄上郡山北町の西部地域や、愛甲郡清川村の東部地域など、丹沢山地の山間部を中心に広がっています。さらに、大倉や弘法山といった比較的アクセスの良い地域も公園区域に含まれています。また、後に追加された区域として、相模原市緑区青山の一部、特に宮ヶ瀬ダムの建設によって誕生した宮ヶ瀬湖の北側エリアも公園の範囲となっています。このように、山岳地帯から湖畔まで、多様な地形と植生を含むエリアが保護されています。

歴史と変遷

神奈川県立丹沢大山自然公園の歴史は、その面積の変遷という点で特徴的です。

公園の創設

公園が最初に指定されたのは1960年5月のことです。この時、公園として設定された区域は非常に広大で、神奈川県北西部の面積約38,726ヘクタールに及んでいました。これは、現在の面積の3倍以上に相当する広さでした。

国定公園指定に伴う縮小

指定からわずか5年後の1965年3月、公園の歴史における大きな転換点が訪れます。この公園の中心部にあたる約27,572ヘクタールという広大なエリアが、国によって丹沢大山国定公園として新たに指定を受けたのです。これにより、県立自然公園としての区域は、国定公園のエリアを除いた部分に再編成されることとなり、その面積は約11,154ヘクタールへと大幅に縮小されました。これは、より上位の保護指定が設けられた結果としての変更でした。

区域の追加指定

その後、公園の面積は約30年間にわたってその規模を維持していましたが、1996年4月に再び変更がありました。宮ヶ瀬ダムの建設事業が進められ、新たな人造湖である宮ヶ瀬湖が誕生したことに伴い、その北側に位置する相模原市緑区青山の一部地域が県立自然公園の区域として追加指定されたのです。この追加により、公園の総面積は現在の約11,355ヘクタールとなり、現在に至るまでの公園区域が確立されました。

このように、神奈川県立丹沢大山自然公園は、創設、国定公園の分離、そして新たな地域の追加という歴史的な変遷を経て、現在の姿となりました。丹沢山地とその周辺部の豊かな自然環境を未来に継承するため、重要な役割を果たし続けています。

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