愛甲郡

愛甲郡（あいこうぐん）について

愛甲郡は神奈川県に位置する郡で、その人口は2024年9月1日の推計で42,085人、面積は105.52km²、人口密度は399人/km²です。郡には愛川町と清川村の1町1村が含まれています。

地理的位置

愛甲郡は、厚木市をはじめとする周辺地域と密接な関係を持っています。具体的には、厚木市の一部と愛川町、清川村が郡の範囲を構成しています。また、厚木市の地域の一部が郡とは異なることもあり、思いがけない境界があります。

歴史的な背景

この地域は元々相模国の北部にあり、相模川や道志川の流域の山間部も含まれていました。古代には「あゆかは」と呼ばれており、この名は後に「鮎川」や「愛川」という地名へと発展しました。鎌倉時代には、毛利荘が厚木市周辺に設立され、大江広元がこの地の領主となり、彼の子孫は毛利氏として戦国時代に成長しました。

鎌倉時代には、三浦氏の支族である津久井氏が地区に城を築き、「津久井」と呼ばれるようになりました。江戸時代には、その地域が「津久井県」として知られていた時期もありましたが、明治時代には正式に津久井郡となりました。

戦国時代から近代まで

戦国時代には、小田原の後北条氏がこの地域を支配し、甲斐国の武田氏との接触がありました。1569年に愛川町で発生した三増合戦は、この時代の重要な出来事の一つです。

江戸時代に入ると、郡内の多くは小田原藩の支配下に置かれ、さまざまな藩領と幕府直轄領が混在しました。1706年、小田原藩の大久保氏の分家が独立した藩「荻野山中藩」として発展し、郡内に陣屋を構えました。

明治時代の変革

明治元年には新政府による変革が進み、神奈川奉行は新政府軍に接収され、神奈川府が成立しました。さらに藩領が縮小された後、神奈川府が神奈川県に改称され、愛甲郡もその管轄下に入りました。

明治22年（1889年）4月1日、町村制の施行により、厚木町をはじめとする町村が誕生。郡役所は厚木村に設置され、地域行政が確立されていきました。明治32年（1899年）には郡制が施行され、郡としての体制が整いました。

昭和以降の変遷

昭和15年（1940年）には愛川村が町制を行い、愛川町が成立しました。また、昭和30年代には徐々に町村が合併されていき、愛甲郡もその影響を受けました。1955年の合併によって、厚木市が新たに誕生し、郡からは離脱しました。

1978年に愛甲郡は行政区分としての機能を厳格に組織化し、現在では愛川町と清川村が残る状態となっています。愛甲郡は、その歴史と変遷を経ながらも地域住民に愛される場所であり続けています。この地での生活は、周囲の自然、歴史的遺産、地域文化を楽しむ機会に恵まれています。

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