神奈川県立横浜立野高等学校

神奈川県立横浜立野高等学校

神奈川県立横浜立野高等学校は、横浜市中区本牧間門に校舎を構える公立の共学校です。その歴史は古く、昭和初期にまで遡ります。

学校の始まりは1936年2月、「神奈川県立横浜第二高等女学校」としてでした。創立当初は、現在の横浜国立大学教育学部附属横浜小学校がある、横浜市中区立野町の通称「立野の丘」に位置し、神奈川県女子師範学校の敷地内に併設されていました。この地は、当時の横浜の教育の中心地の一つであり、横浜第一高等女学校（現在の神奈川県立横浜平沼高等学校の前身）と共に、県内の女子教育を牽引する役割を担っていました。

戦後の学制改革により、1948年には新制高等学校へと移行し、「神奈川県立横浜第二女子高等学校」と改称されました。さらに1950年には、神奈川県立の高校における男女共学化の流れを受け、現在の名称である「神奈川県立横浜立野高等学校」に改められ、男子生徒も受け入れるようになりました。この頃、立野の丘には、横浜立野高等学校のほか、横浜国立大学学芸学部分校、同附属小学校、同附属中学校などが集まり、教育機関が密集する状態となっていました。

敷地の不足が顕著となったため、学校は移転を決定します。そして1964年、現在の所在地である横浜市中区本牧間門への校舎移転が実現しました。また、1966年には横浜国立大学教育学部附属高等学校設置の構想のもと、山手分校が設けられましたが、国立学校への移管は実現せず、1968年には神奈川県立光陵高等学校として分離独立しています。

学校を取り巻く環境も変化しました。1950年の小学区制導入以来、1963年には中学区制（横浜南部学区）、1981年には新学区制（横浜臨海学区）と学区制は変遷しましたが、2005年には学区制が廃止され、入試制度も変化しています。

近年では、校舎の耐震対策を目的とした建て替え工事が行われました。これに伴い、2011年から2014年にかけての期間、一時的に横浜市港南区にあった旧神奈川県立港南台高等学校の校舎へ学校機能を移転しました。そして、2014年に本牧間門の地に新しい校舎が完成し、現在の校舎での教育活動を再開しています。2016年には創立80周年の節目を迎えました。

学校生活においては、制定以来三代にわたる校歌が歌い継がれています。また、毎年秋には、生徒たちの体力向上と連帯感を育む行事として、辻堂海浜公園でのマラソン大会が開催されることが恒例となっています。

これまでに19,000人を超える卒業生を社会に送り出しており、その中には作家の武田百合子氏、小説家の廣嶋玲子氏、プロレスラーの辻陽太氏、サッカー選手の喜田拓也氏、ミュージシャンの喜多建介氏（ASIAN KUNG-FU GENERATION）など、様々な分野で活躍する著名な人物が名を連ねています。

現在の校舎へのアクセスは、JR根岸線根岸駅から市営バス（58系統または101系統）を利用し、「東福院前」バス停で下車後、徒歩でおよそ5分です。歴史ある学び舎として、横浜の地域社会に根差し、未来を担う人材の育成に取り組んでいます。

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