神奈川県立相模原中等教育学校

神奈川県立相模原中等教育学校は、神奈川県相模原市南区相模大野に位置する公立の中高一貫教育校です。相模大野高等学校に併設される形で2009年に開校しました。

教育目標

同校は、「科学論理的思考力」「表現コミュニケーション力」「社会生活実践力」の3つの力を育成し、次世代のリーダーを育成することを目標としています。神奈川県では初の県立中等教育学校として、神奈川県立平塚中等教育学校とともに、新たな教育の形を追求しています。

学校の編成

各学年は160名で構成され、6学年制です。1年次から3年次までを前期生、4年次から6年次までを後期生と区分しています。1年次と2年次は各学年5クラス（1クラス32名）、3年次から6年次までは各学年4クラス（1クラス40名）という編成です。各クラスには担任と副担任が配置され、3年次からは学年担当の教諭も加わります。

施設

校舎はH型に配置され、切妻屋根やエンタシスを模した柱が特徴的な正面玄関、黄土色の塔屋、ステンドグラス、吹き抜けの図書館など、デザインにこだわった意匠が随所に見られます。校舎は北棟・西棟・南棟・東棟・中央棟に分かれており、中央棟と体育館の下にはピロティが設けられています。塔屋を除き、校舎は3～4階建てで、全体的にアイボリーホワイトの色調で統一され、屋根部分はこげ茶色となっています。

特徴的な点として、プールが設置されていません。前庭は赤レンガ敷き、中庭は幾何学模様のタイルが敷き詰められており、前庭左奥には「思索の小径」としてレプリカの埴輪が配されています。体育館は2階に位置し、1階はピロティと武道場として利用されています。グラウンド周囲はマテバシイで覆われ、構内は松や桜などの木々が生い茂っています。テニスコートは4面、校庭にはハンドボールコートも整備されています。駐輪場は2箇所あり、主に後期生が利用します。校舎内は基本的に土足で入るため、下駄箱は事務室前の職員用を除いて設置されていません。

沿革

2009年4月 - 開校
2009年6月 - 校歌発表
2009年10月 - プレハブ完成
2009年11月 - 東棟改修工事開始
2010年4月 - 東棟改修工事終了
2010年12月 - 全ての校舎の改修が終了、プレハブ解体開始
2011年4月 - 加賀大学が校長に着任
2015年4月 - 坂本和彦が校長に着任
2017年4月 - 鈴木恭子が校長に着任
2019年11月 - 十周年記念式典開催
2020年4月 - 藤原敬子が校長に着任
2024年4月-岡野正之が校長に着任

著名な出身者

御剣海（宝塚歌劇団星組男役）

学校行事

学園祭として、6月に蒼碧祭体育部門、9月に蒼碧祭文化部門、12月に芸術祭合唱部門と展示部門が開催されます。コロナ禍においても、規模を縮小しながら全ての行事が毎年実施されています。

学校の象徴

校章: 公募により神奈川県在住のグラフィックデザイナー奥野和夫の作品が採用されました。教育目標である「心身ともに健全」「高い知性と豊かな人間性」をペン先に表し、学校名であるSagamihara Secondary Schoolの頭文字Sを3本のリボンで表現しています。リボンは生徒が「科学・論理的思考力」「表現コミュニケーション力」「社会生活実践力」の3つの力を備え、成長していく様を表しています。翼の3枚の羽は、次世代を担う人材に成長することを願う象徴です。
校歌: 母体校の旧校歌に、同校生徒が新たに作詞した4番目の歌詞を加えて完成しました。仲間との出会いをテーマにした歌詞で、2009年6月9日に発表されました。
スクールカラー: 校章にも用いられている「えんじ色」がスクールカラーです。

入学者選抜

入学には、神奈川県立平塚中等教育学校と共通の入学者決定検査を受ける必要があります。調査書（小学校の成績）、適性検査、グループ活動による検査の結果を総合して合否が決定されます。適性検査は600点、グループ活動による検査は200点、調査書は100点の配点です。2022年度からは男女の区別なく160名を募集しています。

適性検査

適性検査はIとIIの2種類があり、それぞれ45分間です。文部科学省の指導により学力検査は行われず、教科別の試験ではありません。配点はそれぞれ300点です。2023年度からはマークシート方式が導入され、例年実施されていた150字作文が適性検査IとIIに分割されることになりました。

委員会・部活動

運動部

剣道部、サッカー部、柔道部、卓球部、ダンス部、テニス部（硬式）、陸上競技部、バスケットボール部、バドミントン部、バレーボール部、ハンドボール部、野球部（前期生は軟式、後期生は硬式）があります。野球部は2016年と2021年の夏の全国高等学校野球選手権神奈川大会で4回戦まで進出しました。

文化部

イラスト文芸部、英語部、クラシックギター部、コーラス部、茶道部、吹奏楽部、美術部、料理部があります。

クラシックギター部は、2015年から2019年まで全国学校ギター合奏コンクールで5年連続最優秀賞を受賞し、全国高等学校総合文化祭にも出場しました。TBSの『愛なんだ 2020』や『THE TIME』にも出演し、2022～2024年にかけて再び最優秀賞を受賞しています。

吹奏楽部は、クラリネット四重奏で全日本アンサンブルコンテスト全国大会（中学部門）に出場した実績があります。

コーラス部は、2022〜2023年度の2年連続でかながわヴォーカルアンサンブルコンテストで金賞を受賞し、2022年度の関東ヴォーカルアンサンブルコンテストでは銀賞を受賞しました。

交通アクセス

小田急線相模大野駅徒歩10分
神奈川中央交通南中前停留場徒歩すぐ

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