全日本アンサンブルコンテスト

全日本アンサンブルコンテスト

全日本アンサンブルコンテスト（ぜんにほんアンサンブルコンテスト）は、一般社団法人全日本吹奏楽連盟と朝日新聞社が共催する音楽コンテストであり、毎年3月に開催されています。アマチュア奏者を中心にしたこの重奏（アンサンブル）形式のイベントは、1978年に全日本吹奏楽連盟の発足40周年を記念して創設され、以来多くの地域で楽団や学校の学生たちが参加し続けてきました。吹奏楽関係者の間では、「アンコン」という略称でも知られています。

コンテストの概要

全日本アンサンブルコンテストは、中学生、高等学校、大学、職場・一般の4つの部門に分かれています。高校、大学、職場の各部門では、参加者は同じ学校や企業、官庁に所属する団体のメンバーで構成される必要があります。2024年度からは、中学の部が「中学生の部」と名称変更され、地域バンドや複数学校の合同バンドの参加が可能となります。さらに、中高一貫校からの小学校や中学校の児童の参加も認められるようになります。ただし、職業の演奏家は参加できません。地域によっては、同じ加盟団体からの複数グループの出場が許可されますが、同一の奏者が異なるグループに所属することは禁じられています。

参加を希望する団体は、まず該当地域の吹奏楽連盟に登録し、演奏曲目を決定し参加申込を行います。2009年度からは、「職場の部」と「一般の部」が統合され、「職場・一般の部」として一つの部門となりました。

主な規定

コンテストにはいくつかの主な参加条件があります。演奏時間は5分以内で、これを超過した場合は失格となります。また、一編成あたりの人数は3〜8人であり、独立した指揮者を立ててはいけません。参加楽器については、木管楽器や金管楽器、打楽器、コントラバスが対象とされていますが、コントラバス単独の編成は認められていません。

特に注目すべきは「三出制度」という以前のルールであり、これにより3年連続で全国大会に出場した団体は翌年は参加が制限されるものでした。この制度は現在は撤廃され、参加には制約がなくなりました。

審査方式

審査は部門ごとにA・B・Cの3段階で評価され、審査員が定めた基準に基づいて行われます。各評価は数値に変換され、合計得点が80%以上の場合には金賞、60%以上80%未満の場合には銀賞、60%未満であれば銅賞とされます。賞の数に上限はありません。

予選と大会の流れ

参加団体は、まず都道府県大会に参加し、その後支部大会、最後に全国大会へと進む流れになります。各都道府県大会は12月または1月に行われ、予選を経て支部代表が選出されます。各支部の大会は地域によって異なるため、詳細な日程や方法は各支部の規定に従います。

開催場所と地域参加

全日本アンサンブルコンテストは各支部で持ち回りで開催され、多様なホールが利用されます。これは吹奏楽コンクールとは異なる特徴で、地方のホールも活用されています。

今後の展望

2023年度の理事会では、参加者数の調査や今後の運営方法について議論されています。また、打楽器グループの増加による運営上の問題についても取り組まれています。

このコンテストは、吹奏楽団体の技術向上や地域密着の交流を促進する重要なイベントであり、参加者にとって貴重な経験の場となっています。今後の展開にも期待が寄せられています。

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