神庭の滝

神庭の滝：自然美と伝説が息づく名瀑

岡山県真庭市にある神庭の滝は、その雄大な姿と美しい自然景観から、多くの人々を魅了し続けています。国の名勝に指定されているだけでなく、日本百景や日本の[[滝百選]]にも選ばれており、まさに日本を代表する滝の一つと言えるでしょう。

滝の概要

神庭の滝は、旭川の支流である神庭川に位置し、落差110mを誇る西日本最大級の滝です。上部には落差の小さい滝があり、段瀑を形成していますが、上段部分は容易に見ることができません。滝の周囲は石灰岩で構成されており、近くには鍾乳洞「鬼の穴」も見られます。秋になると、滝周辺の木々が紅葉し、一層美しい景色が広がります。

駐車場から滝までは遊歩道が整備されており、徒歩約5分程度で滝の下まで行くことができます。遊歩道沿いには「玉垂の滝」があり、苔の間から滴る水が涼しげです。また、駐車場の下には「滔々の滝」も存在します。周辺には野生のニホンザルが生息しており、餌付けされた猿たちの姿を間近に見ることもできます。

入場料は大人300円、小中学生150円（2012年現在）です。

神庭の滝にまつわる恋物語

神庭の滝には、悲恋物語と、その恋を叶えると言われる「八十慈像」の伝説が残されています。

その昔、高田城の城主の娘である照姫は、病弱で余命宣告を受けていました。ある秋の日、乳母に連れられて神庭の滝を見に行った際、修行僧の清海と出会います。清海は寺に伝わる秘薬を照姫に与え、二人は再会を約束しました。その後、二人は次第に惹かれあいますが、身分の違いから結ばれることがないと悟ります。

ある晩秋の日、照姫は清海に「身分を超え、死をも共にするほどの愛を貫けるか」と問います。清海がそれに応えたため、二人は心中を決意します。翌春、滝の上で昼食をとっていた際に、照姫は和歌を詠み、滝に身を投げます。清海も後を追い、二人は滝壺に落ちますが、不思議なことに一条の光が差し込み、無事に岸へ引き上げられました。照姫はその後、薬で病気を治し、清海と幸せに暮らしたと伝えられています。

八十慈像の伝承

照姫と清海が身を投げた際、清海の瞼に一条の光を放つ仏像が浮かびました。その仏像が「八十慈像」です。この像は、恋の願いを叶え、病気平癒をもたらす仏様として、現在も信仰されています。特に恋愛成就の仏様としては珍しく、全国でも類を見ないと言われています。

八十慈像への願い事は、絵馬に願い事を書き、「八十慈像」の周りを3回まわることで成就するとされています。恋人募集中の方や、恋に悩む方、病気で苦しむ方は、「八十慈像」に願いを託してみてはいかがでしょうか。

アクセスと周辺情報

神庭の滝へは、JR中国勝山駅からタクシーで約10分です。

周辺には、歴史的な街並みが残る「勝山町並み保存地区」や、温泉地として有名な「湯原温泉」など、観光スポットも多くあります。

関連情報

神庭の滝は、映画『八つ墓村』のロケ地としても知られています。また、以下の情報もご参照ください。

日本国指定名勝の一覧
八つ墓村 シネマ紀行

参考文献

現地案内板
『日本の滝100選』 グリーンルネッサンス事務局/編、1991年、講談社

外部リンク

* 神庭瀑 - 国指定文化財等データベース（文化庁）

もう一度検索