神戸ポートターミナル

神戸ポートターミナル：国際クルーズ客船の拠点

神戸ポートターミナルは、兵庫県神戸市中央区新港町に位置する、日本最大級の客船用埠頭とターミナルビルからなる複合施設です。神戸港・新港地区に大正時代に建設された新港第四突堤を起源とし、長い歴史と近代的な設備を兼ね備えています。

歴史と規模

1907年（明治40年）に着工した神戸港第一期修築工事の一環として、船客乗降場として使用される上屋が完成しました。その後、1970年（昭和45年）には現在のターミナルビルが竣工。649mと589mの岸壁と水深10～12mのバース6つを有し、10万トン級を超える大型客船の接岸にも対応できる高い機能性を誇ります。5万トン級の客船であれば、最大4隻同時接岸が可能です。

2008年までは関西汽船の国内フェリー航路も利用されていましたが、現在は国際フェリーや外航客船の拠点として世界各国のクルーズ船や、上海航路の定期客船などが発着しています。

老朽化対策として2014年から20億円規模の改修工事が実施され、2015年にはリニューアルオープン。耐震性の強化に加え、国内最大級となる全長46メートル、高さ16.7メートルまで対応可能な搭乗橋が新設され、バリアフリー化も実現しました。ターミナルビルの屋上サインも刷新され、「Welcome to KOBE」と「PORT TERMINAL」の文字がライトアップされるなど、魅力的な空間へと生まれ変わりました。

施設概要

ターミナルビルは地上3階建て。1階には船会社カウンターや待合ロビー、2階には出入国審査施設（CIQ）や搭乗橋、観光案内所などが配置され、3階には広々とした玄関ホールや待合ロビー、1000㎡の大ホール（神戸ポートターミナルホール）を備え、最大2500人を収容可能です。

また、1931年建造のQ2上屋（旧第四突堤船客乗降場上屋）は、かつてはポートトレインが入線していた乗降場として使用されていましたが、現在は移築・改修され、NPO法人によって創作活動やイベントスペースとして活用されています。

ターミナルビル周辺には、緑豊かな「みどりの広場」も整備されています。

主要発着船

神戸ポートターミナルには、定期航路として日中国際フェリー（上海航路）や韓国釜山航路のフェリーなどが就航しています。不定期航路では、数々の有名クルーズ客船が寄港しており、クイーン・エリザベス2の日本初入港（1975年）以来、多くの豪華客船が神戸を訪れています。代表的な客船としては、ロイヤル・カリビアン・インターナショナル、カーニバル・クルーズ・ライン、プリンセス・クルーズ、MSCクルーズなどの船舶が挙げられます。

アクセスと周辺環境

神戸新交通ポートアイランド線（ポートライナー）のポートターミナル駅が最寄り駅で、徒歩1分の好立地です。神戸大橋に隣接しており、神戸コンベンションコンプレックス、UCCコーヒー博物館、神戸市立青少年科学館などの観光施設も近隣に位置しています。神戸港周辺には、神戸三宮フェリーターミナル、中突堤旅客ターミナルなど、他の旅客船ターミナルも複数存在します。

神戸港の玄関口

神戸ポートターミナルは、神戸港を代表する国際的な旅客ターミナルとして、国内外の多くの観光客やビジネス客を受け入れ、神戸市の経済活性化にも大きく貢献しています。歴史と近代性を融合させた、神戸港の玄関口として今後も重要な役割を果たしていくでしょう。

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