神戸新交通ポートアイランド線

神戸新交通ポートアイランド線（ポートライナー）の概要

[神戸新交通]]ポートアイランド線、通称ポートライナーは、神戸市の中心地である三宮駅と、ポートアイランド、そして神戸空港駅を結ぶ自動案内軌条式旅客輸送システム]路線です。[[兵庫県神戸市中央区内を全線高架で走行し、その愛称である「ポートライナー」の名称で親しまれています。

ポートライナーは、三宮駅からポートアイランドの中公園駅、市民広場駅を経由し、ポートアイランド沖の神戸空港駅に至る「空港線」と、市民広場駅から分岐して北埠頭駅を経由し、再び中公園駅へ合流する「ループ線」の2系統から構成されています。空港線は複線、ループ線は単線となっています。

ラインカラーは公式には公表されていませんが、案内表示などではコーポレートカラーであるグリーンやブルーが使用されています。駅番号の路線記号は、空港線が「P」、ループ線が「PL」となっており、神戸市の市花である「あじさい」をイメージした紫色で表記されています。

開業から現在まで

1981年2月5日、ポートアイランドと三宮を結ぶ交通手段として、日本初の実用的な新交通システム、そして世界初の自動無人運転方式(開業当初は添乗員が乗務)の路線として開業しました。世界初の無人運転システムとして、その技術的な革新性は高く評価されています。

その後、2006年2月2日には神戸空港の開港に合わせ、神戸空港駅まで延伸、空港線は複線化され、現在の路線形態となりました。全駅にフルスクリーンタイプのホームドアを設置するなど、安全性にも配慮した設計がなされています。最小曲線半径30m、最大勾配50‰という、AGTの性能を最大限に活かした路線設計は、既存市街地を縫うように敷設された高架構造からも見て取れます。

ポートアイランドには多くの企業や大学キャンパスが立地しており、神戸空港へのアクセスルートでもあるため、特に朝夕のラッシュ時には激しい混雑が見られ、混雑率はピーク時には160％程度に達することもありました。近年は重量制限の緩和などの改善策が実施されていますが、混雑は依然として大きな課題となっています。

路線データ

路線距離：10.8km (空港線：8.2km、ループ線：2.6km)
案内軌条：側方案内式
軌間：1,740mm
駅数：12駅 (市民広場駅・中公園駅は重複計上せず)
複線区間：空港線全線
単線区間：ループ線全線
電気方式：三相交流600V・60Hz
閉塞方式：車内信号式
最大勾配：50‰ (本線)、60‰ (車庫線)
最小曲線半径：30m (本線・車庫線)
最高速度：70km/h
車両基地：中埠頭車両基地

運行形態

ポートライナーは、「空港系統」(三宮～神戸空港)と、「ループ系統」(三宮～市民広場～北埠頭～中公園～三宮)の2系統で運行されています。ループ系統は、単線区間のループ線内は一方向の運転となるため、三宮駅で折り返し運転を行います。また、車両基地への入出庫を行う「入出庫系統」も設定されています。

ループ系統は、市民広場駅から北埠頭駅、中公園駅と一方向に運行され、三宮駅到着時に車両の向きが変化します。乗客は、環状運転の向きと逆方向へ移動する際は中公園駅で乗り換えが必要となります。

車両は6両編成で運行されており、AGT路線としては最も長い部類に入ります。混雑緩和のため、8両編成化の計画も検討されています。

運行本数

日中時間帯の運行本数は、平日が空港系統9本/時、ループ系統6本/時（三宮発基準で15本/時）、土休日が空港系統6本/時、ループ系統6本/時（三宮発基準で12本/時）です。ラッシュ時やイベント時には、運行間隔を短縮して輸送力強化を図っています。

過去の車両と現在の車両

開業当初から長年活躍した8000型車両は、2009年に全車引退しました。現在は2000型、2000A型、2020型の3種類の車両が運行されています。2000型は神戸空港延伸に合わせて導入され、2000A型は2000型の改良型です。2020型は、バリアフリー化や省エネルギー性能の向上を図った車両です。

阪神淡路大震災とその後

1995年の阪神淡路大震災では大きな被害を受け、全線不通となりました。全線高架構造であったため、復旧作業は困難を極めましたが、関係者の努力により、195日後の7月31日に全線運転を再開しました。

神戸空港線延伸と今後の展望

2006年の神戸空港延伸は、ポートアイランド線の大きな転換点となりました。延伸と同時に、中公園～市民広場間の複線化、そして快速運転も開始されました。しかし、新神戸駅延伸や三宮駅移設などの計画は、実現には至っていません。

まとめ

ポートアイナーは、高度な技術と、神戸市の発展を支える重要な交通機関として、市民生活に欠かせない存在となっています。今後の更なる発展と、混雑緩和への取り組みが期待されます。

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