神戸中央線

神戸中央線

概要

神戸中央線（こうべちゅうおうせん）は、兵庫県神戸市中央区を南北に縦断する計画の地域高規格道路です。具体的には、北は阪神高速32号新神戸トンネルから始まり、神戸港の下をくぐる神戸港港島トンネルを通り、人工島であるポートアイランドを経由して、最終的には神戸空港に至る重要な幹線道路として位置づけられています。

この路線は、地域高規格道路として指定されており、周辺地域の交通ネットワークの強化、物流の効率化、および地域活性化に大きく貢献することが期待されています。

路線構成と事業化状況

神戸中央線は、いくつかの区間に分けて整備が進められています。北端の新神戸トンネルから国道2号に接続する部分については、「新神戸トンネル有料道路II期」として事業化され、既に供用されている区間も存在します。この区間は、神戸市の中心部と山手方面を結ぶ重要なアクセスルートの一部を形成しています。

一方で、国道2号接続部から南へ向かい、神戸港港島トンネルを経てポートアイランド、そして神戸空港に至る区間については、一部が未開通の状態となっています。特に、国道2号接続部から神戸港島トンネルに至るまでの区間は、「神戸中央線南伸部」と呼ばれており、この南伸部を含む一部の区間が、地域高規格道路の「候補路線」として位置づけられています。

神戸中央線南伸部

神戸中央線南伸部は、未開通区間を含む約8kmの区間です。この区間は、神戸市の都心部とポートアイランド、さらには神戸空港を直接結ぶための非常に重要な役割を担っています。現在、この区間が整備されることで、神戸空港へのアクセス性が格段に向上することが強く期待されています。

これまで、神戸空港へのアクセスは公共交通機関や既存の一般道路が中心でしたが、神戸中央線南伸部が開通すれば、都心部や広域からの自動車によるアクセスが大幅に円滑化され、所要時間の短縮や利便性の向上に繋がります。これは、ビジネス利用客や観光客にとって大きなメリットとなるだけでなく、神戸空港の機能強化にも寄与するものと考えられています。

事業の進展

神戸中央線南伸部の整備に向けた動きとして、2022年2月には神戸市から重要な発表がありました。その内容によると、神戸市は新神戸トンネルから神戸港島トンネルを経由し、ポートアイランドに至るまでの区間について、2022年度に事業を開始する方針を明らかにしました。この発表は、長らく計画段階にあった神戸中央線南伸部の具体的な整備が、いよいよ動き出すことを意味しており、全線開通に向けた大きな一歩となります。

事業開始後、詳細な設計や用地取得、工事などが段階的に進められることになります。神戸中央線全体が完成することで、神戸市の南北方向の交通軸が強化され、都市機能の向上、物流の効率化、そして人流の活性化が促進されることが期待されます。特に、神戸空港へのアクセスが大幅に改善されることで、空港利用者の利便性向上はもちろんのこと、神戸市の国際的な競争力強化にも貢献すると見込まれています。

神戸中央線は、神戸市の将来の発展にとって欠かせないインフラ整備の一つであり、今後の事業の進捗が注目されています。

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