阪神高速32号新神戸トンネル

阪神高速32号新神戸トンネルの詳細解説



阪神高速32号新神戸トンネルは、兵庫県神戸市中央区雲井通から同市北区山田町に至る、阪神高速道路の重要な路線です。このトンネルは、神戸市道生田川箕谷線の一部を構成し、阪神高速道路株式会社が管理しています。特筆すべきは、この路線が自動車専用道路ではなく、50cc超125cc以下の小型自動二輪車（原付二種）も通行できる点です。

トンネルの構成と特徴



新神戸トンネルは、北行きの新神戸トンネルと南行きの第二新神戸トンネルの2本のトンネルで構成されています。これらのトンネルは、神戸市中心部と神戸市北部、さらには三田市などを結ぶ主要なルートであり、慢性的な渋滞に悩まされていた兵庫県道15号神戸三田線（通称「有馬街道」）のバイパスとして建設されました。

道路区間の大部分はトンネルで、北行・南行ともに約8.5kmの延長ですが、トンネル部分は北行が約7.9km、南行が約8.1kmに及びます。六甲山地を貫通するトンネルは、北行が「新神戸トンネル」（延長6,910m）、南行が「第二新神戸トンネル」です。また、新神戸駅付近から国道2号までの区間も、生田川沿いを地下トンネルで通過します。

料金所と通行規制



料金所は箕谷出入口（箕谷JCT）に設置されており、全線でETCが利用可能です。ただし、5km以上の長大トンネルであるため、道路法第46条に基づき危険物積載車両は通行禁止です。一方で、この路線は阪神高速で唯一の自動車専用道路ではないため、小型自動二輪車も通行可能です（原付一種、自転車、歩行者は通行不可）。ただし、箕谷料金所以遠の7号北神戸線は自動車専用道路となるため、小型自動二輪車は乗り入れできません。

トンネルの技術的特徴と環境への配慮



新神戸トンネルの建設には、並行する神戸市営地下鉄北神線の北神トンネルが活用され、建設費用の削減に貢献しました。トンネル内の換気は、第二新神戸トンネルではジェットファン方式が採用されています。新神戸トンネルでは、かつて横流換気方式が用いられていましたが、2012年の笹子トンネル天井板落下事故を受けて、天井板が撤去されました。この天井板は、自立式の鉄筋コンクリート製で、撤去工事は困難を極めましたが、安全性の確保のため、緊急修繕事業として実施されました。

トンネルからの湧水は、神戸市の上水道水源としても利用されています。かつては、南行き車線側で湧き出る天然水を一般利用者が汲むこともできましたが、現在では利用できません。

第二新神戸トンネルは、市町村道のトンネルとして、またトンネル用信号機がないトンネルとして、さらに原付二種が通行可能なトンネルとしては日本最長です。

延伸計画



神戸空港まで南伸する構想があり、「神戸中央線南伸部」として計画が進められています。

歴史



開通当初は、新神戸トンネル1本のみが暫定2車線で対面通行でした。この路線は、もともと神戸市の事業として建設され、神戸市道路公社が管理・運営していましたが、阪神高速道路が距離制料金に移行するのに伴い、2012年10月1日に阪神高速道路株式会社に移管されました。


路線バスの運行



この区間には、多数の高速バスを含む路線バスが運行されています。トンネルの開通により、三宮から有馬温泉や三木・小野への移動がバスでより迅速になりました。しかし、これにより神戸電鉄の利用者が減少し、特に粟生線では赤字が深刻化しています。

箕谷ランプにある公営駐車場は、パークアンドライド方式の実証実験が行われ、成功事例として知られています。

主な高速バス路線




主な一般路線バス




出入口と車線



新神戸トンネルの出入口は全て神戸市内にあり、北行（箕谷方面）と南行（三宮方面）に分かれています。各方向とも2車線で、最高速度は80km/hに制限されています。

他の阪神高速道路との接続



新神戸トンネルは、終点の箕谷JCTで7号北神戸線と接続し、起点である国道2号出入口は3号神戸線の生田川出入口に近接しています。これにより、3号神戸線の混雑時には7号北神戸線を経由した迂回ルートとして利用できます。また、ETC車限定で3号神戸線との乗り継ぎ割引も適用されます。

関連項目




外部リンク



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