神戸市交通局2000形電車

神戸市交通局2000形電車の詳細

神戸市交通局の2000形電車は、1988年に導入された通勤形電車で、当初の20両から1999年に24両へと増強されたシリーズです。その導入は、北神急行電鉄の開業および相互直通運転の開始に伴い、効率的な輸送を目的としていました。

車両の概要

2000形は、神戸市交通局が保有していた通勤形電車の中で最も少ない台数が運行されていました。編成番号は1000形の続番で、2119Fから始まる番号が付与されています。初期の5両編成から、1989年には付随車が増結され6両編成となり、全体で24両の車両が存在しました。

車体の特徴

2000形の車体は、アルミ合金製の19m3扉車体で、前面デザインが1000形とは異なります。前面の貫通扉が助士席側に寄せられ、運転席周辺の視界が広くなっています。また、前面の窓は大型の曲面ガラスを採用し、行先表示器や車両番号が窓内に表示されています。前照灯は角型になっており、大型のステップも設けられたデザインです。なお、塗装は神戸市電に由来する緑の2色で、上半分はパールグリーン、下半分はライトグリーンが使われています。

主要機器

走行機器や電装品については1000形と共通しており、主要な制御装置は[電機子チョッパ制御]]です。この方式は、パワーエレクトロニクスからのノイズによる自動列車制御装置]への影響を考慮した結果です。台車は[[住友金属工業製のS型ミンデン空気ばね台車が採用されています。また、主電動機は各電動車に130kWの出力を持つMB-3299-Aが4基搭載され、駆動方式は平行可撓歯車継手式が用いられています。

改造と更新

1993年からは快速運転に対応するため、2000形にも「快速」表示の追加や種別表示灯の設置が行われました。さらに、2013年からは川崎重工業で客室の改装と主回路装置のIGBT-VVVF化が進められ、2022年には全車両がVVVFインバータ制御に更新されました。

運用と廃車

2000形は北神線の谷上駅から新神戸駅、西神・山手線では新神戸駅から西神中央駅間で活躍していました。しかし、2019年度からは6000形電車の導入によって全車両が廃車の対象となり、最終的に2022年に全車両が運行を終了しました。2023年10月時点では2119号のカットモデルが名谷車両基地に保存されています。

まとめ

神戸市交通局の2000形電車は、短い運用期間ながらも地域の通勤輸送に貢献した重要な車両系列であり、そのデザインや技術は後の車両にも影響を与えました。このように、2000形の事績を振り返ることで、神戸市の交通史における役割を理解することができるでしょう。

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