神戸市営地下鉄北神線

神戸市営地下鉄北神線：六甲山地を貫く路線

神戸市営地下鉄北神線は、神戸市中央区の新神戸駅から同市北区の谷上駅までを結ぶ、全長7.5kmの地下鉄路線です。茶色をラインカラーとし、駅番号は西神・山手線と一体で付番されています（路線記号S）。西神・山手線の駅番号表示とは異なり、白地に緑色の縁取りと文字で表示されているのが特徴です。

開業から市営化まで

北神線は、神戸電鉄有馬線と神戸市中心部を結ぶ短絡ルートとして計画されました。1988年4月2日、北神急行電鉄北神線として開業しました。開業当初から西神・山手線との相互直通運転を開始し、神戸市内における重要な交通手段となっています。

路線の大部分は、全長7276mの北神トンネルが占めています。これは、1997年に北越急行ほくほく線が開業するまでは、JR線以外の路線では日本最長の山岳トンネルでした。建設は、阪急電鉄と日本鉄道建設公団による出資で行われました。建設にあたっては、山陽新幹線の新神戸駅直下を通過する必要があり、新幹線の沈下を2mm以内に抑えるという厳しい条件が課せられました。

急勾配の短距離路線であるため、回生電力を駅照明や駅務機器に利用するシステムが導入されています。1995年の阪神・淡路大震災では大きな被害を免れ、翌日に運行を再開し、被災地へのアクセスを確保しました。

しかし、運賃の高さと、神戸電鉄有馬線との乗り換えにおける運賃の高さから、輸送量は伸び悩みました。経営状況の悪化を受け、2002年4月1日、鉄道施設は神戸高速鉄道に譲渡されました。その後、2018年には神戸市による市営化に向けた協議が開始され、2020年6月1日、正式に神戸市営地下鉄北神線となりました。市営化に伴い運賃の値下げも実現しました。駅や車両、トンネルなどの資産は神戸市交通局が継承しました。運行業務は神戸電鉄が受託しています。

運行形態と車両

北神線は、全列車が西神・山手線と直通運転しており、単独での運行はありません。西神中央駅まで直通する列車がほとんどですが、一部は名谷駅まで運行しています。神戸電鉄有馬線とは軌間が異なるため、直通運転は行っていません。

運行頻度は、昼間は1時間に4本と少なく、日本で最も運転頻度の低い地下鉄路線の一つです。平日と休日で運行間隔が異なります。北神線内ではワンマン運転を実施しており、新神戸駅で神戸電鉄と神戸市交通局の運転士が交代します。西神・山手線内では車掌が乗務しますが、将来的なワンマン運転化が予定されています。

車両は西神・山手線と共通で、現在6000形が運行されています。過去には1000形、2000形、3000形、7000形が使用されていました。

その他

2002年12月16日からは、西神・山手線内を含め、谷上方から3両目が終日女性専用車両となっています。これは日本初の事例です。また、2006年10月1日からはPiTaPa、ICOCAなどのICカードが利用可能になり、2011年3月1日からは駅構内全面禁煙となっています。

北神線は、六甲山地の地下を貫く路線として、神戸市の交通インフラにおいて重要な役割を果たしています。今後も、利用者の利便性向上に向けた取り組みが続けられるでしょう。

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