神戸市王子スタジアム

神戸市立王子スポーツセンター王子陸上競技場について

神戸市立王子スポーツセンター王子陸上競技場は、兵庫県神戸市灘区に所在するスポーツ施設で、陸上競技や球技に利用される多目的な競技場です。愛称として「神戸市王子スタジアム」や「王子スタジアム」などが親しまれています。この競技場は、神戸市が設置したもので、公益財団法人神戸市スポーツ協会や株式会社加藤商会などの共同企業体によって管理・運営が行われています。

歴史的背景

競技場の歴史は、1889年に遡ります。当初、関西学院の創立地として存在しましたが、1929年に西宮市へ移転。その後、1950年にこの地で開催された日本貿易産業博覧会の展示場として利用された跡地を整備し、王子公園が造られました。

1949年には、王子神社が現在の神戸市立王子動物園のある場所から移転し、1956年に兵庫国体開催に備えて新たに陸上競技場が建設されました。この時、400メートルのトラックを備えた第1種公認競技場としての認定を受け、様々な陸上競技大会やサッカー、ラグビーなどのイベントがここで行われました。特に、学生アスリートである伊東浩司選手がこの地で素晴らしい記録を打ち立てました。

1985年にユニバー記念競技場が完成するまでは、主要な大会がしばしば開催されましたが、その後は利用機会が減少しました。1994年には改修工事を計画して一時閉鎖されましたが、1995年の阪神淡路大震災の影響で工事は見送られ、復旧公園として市民大会規模の競技会に使用され続けました。地震直後には自衛隊のヘリコプター着陸地点ともなり、救援活動の拠点としても機能しました。

2002年には、陸上競技場としての位置づけを見直し、陸連公認施設から除外される決定が下されました。しかし、同年12月には、閉鎖された阪急西宮スタジアムのアメリカンフットボールの試合を誘致するため、競技場のフィールドは人工芝に改装され、スコアボードも導入されました。これにより、アメフト関連のイベントが行われやすくなりました。2005年には照明塔が設置され、ナイトゲームも可能となり、特に秋季リーグ戦では夜間の試合が増加しました。

施設概要

王子陸上競技場の収容人数は約3,000人で、メインスタンドが2,500人、バックスタンドが500人、そして芝生席もあります。トラックは400メートルの8レーンを備え、グラウンドサイズは102メートル×64メートルとなっています。照明設備も整っており、夜間でも競技が行えるよう配慮されています。

アクセス情報

アクセスは良好で、阪急神戸本線の王子公園駅からはすぐの距離にあります。また、JR神戸線の灘駅からは約5分、阪神本線の岩屋駅からも徒歩約8分で到達することができます。

今後の展望

現在、王子公園周辺は老朽化が進んでおり、再整備が検討されています。新しいスタジアムの建設計画も進行中ですが、現在の陸上競技環境が失われることが懸念されており、地域の運動競技団体からは声が上がっています。陸上競技場の維持と再整備のバランスが今後の課題となるでしょう。

もう一度検索