神戸市立外国人墓地

神戸市立外国人墓地

神戸市立外国人墓地は、兵庫県神戸市北区に位置する、外国人家族専用の墓地です。この場所は、1867年から現在に至るまで、多くの著名な外国人たちが埋葬されており、約14ヘクタールの広大な敷地には、世界各国の故人が静かに眠っています。具体的には、約61カ国から2600柱を超える墓碑が点在しています。

立地とアクセス

六甲山地の再度山山頂に近い位置にあり、再度公園内の修法ヶ原池の西北約300メートルにあります。最寄りの交通手段としては、JR神戸線三ノ宮駅から市バス25系統に乗り、30分ほどで「再度公園」で下車、そこから徒歩で約3分の距離にあります。また、三ノ宮駅からは歩くこともでき、豊かな自然を楽しめるハイキングコースがあります。

歴史的背景

この墓地の起源は1867年に遡ります。最初の埋葬は神戸沖に停泊していた船の船員であり、当時は小野浜(現・東遊園地付近)に設置されました。1868年には外国人居留地が設けられ、それに伴い墓地の管理権が神戸市に移されることになります。その後、1899年に新たな外国人埋葬地の規則が定められ、神戸市内での近代的な埋葬の場が整備されていきました。

1936年には、春日野に新墓地の造成が決まり、修法が原池近くの現在の地に移されました。1952年には新墓地の整備が完了し、旧小野浜外国人墓地から620基の墓碑が移転される一方、1961年には春日野墓地の全ての遺族がこの新しい墓地に移されました。そして、2007年には再度公園とともに国の名勝に指定され、文化財としての価値も認められました。

現在の状況

現在、この墓地への立ち入りは遺族以外は禁止されていますが、毎年4月から11月の第4日曜日に限り、一般向けに無料公開される特別な日があります。これにより、一般の人々もこの歴史ある場所を訪れ、先人への敬意を表する機会が与えられています。

主な埋葬者

神戸市立外国人墓地には、多くの名立たる人物も埋葬されています。初代神戸港長のジョン・マーシャルや、宣教師であり伝道船「福音丸」の船長ルーク・ワシントン・ビッケル、さらには日本で最初に蒸気機関車を運転したJ・ホールなど、さまざまな業種で功績を残した人々がここに眠っています。また、堺事件の悲劇的な犠牲者であるフランス水兵11名もこの地に埋葬され、彼らを追悼するためにフランス艦船の乗組員が神戸港に入港する際には、必ずお参りをしていることが知られています。

文化的意義

この墓地は、神戸の近代史を物語る重要な場所であり、異国の文化が日本に影響を与えた歴史を理解するための貴重な資料ともなっています。法制度や国際理解が深まる中、異文化が交じり合った神戸の豊かな文化が形成されていった過程を、墓地は静かに語り続けています。

神戸市立外国人墓地は、ただの埋葬地にとどまらず、歴史や文化の重みを感じる場所であり、今後も多くの人々に愛され続けることでしょう。

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