神戸改革派神学校

神戸改革派神学校は、兵庫県神戸市北区に所在し、日本キリスト改革派教会によって運営されている神学校です。この学校は、福音主義と歴史的改革派神学の立場を堅く守り、特にウェストミンスター信仰基準に基づいた教育を行っています。その主な目的は、日本キリスト改革派教会において牧師、説教者、その他キリスト教奉仕者として働く人々、すなわち教職者を育成することにあります。

教育と卒業生の活躍

創立から60年以上の長い歴史を持つこの神学校は、これまでに300名を超える卒業生を社会に送り出してきました。神学校では、歴史的改革派神学の中心をなすウェストミンスター信仰基準に沿った体系的な神学教育が提供されています。卒業生たちは、母体教会である日本キリスト改革派教会だけでなく、日本同盟基督教団や福音自由教会、長老教会など国内の様々な教派で牧師として働いています。さらに、韓国、アメリカ、イギリスといった海外の教会や宣教団体でも活躍しており、その活動範囲は国内外に広く及んでいます。

多様な学びの機会

教職を目指す正規課程の他に、1999年には別科課程が設けられました。この別科は、教職候補者ではないけれども、キリスト教について深く学びたいと願う人々のために開設されました。キリスト教研究者、信徒伝道者、教会学校教師、教会の役員など、様々な立場の信徒が対象となっています。男女を問わず入学が可能で、短期大学を卒業した者と同等以上の学力が求められます。

正規の授業に加えて、神学校では様々な学びの機会が提供されています。国内外から著名な講師を招いた特別公開講義や、夏季に開催される信徒向けの講座は、広く一般に開かれています。また、現場で奉仕する現役牧師と神学生が共に研究を行う共同研究セミナーも実施されています。さらに、近隣の教会に所属する信徒に対しては、神学校の授業を聴講できる制度も設けられており、地域教会との連携も重視されています。

歴史的背景

神戸改革派神学校の歴史は、1947年4月に日本基督改革派教会によって開設されたことに始まります。しかし、その源流はさらに古く、1907年に設立された神戸神学校にまで遡ることができます。この神戸神学校は、当時、明治学院神学部のリベラルな組織神学教科書の採用に反対したアメリカ合衆国南長老ミッションが、独自の信仰と神学に基づいた教育機関として設立したものです。

その後、1927年には米国北長老教会系の大阪神学院と合併し、名称を中央神学校と改めました。しかし、1941年には再び南長老ミッション単独での経営となり、第二次世界大戦の戦禍へと向かいます。同年、中央神学校は閉鎖を余儀なくされましたが、その蔵書などは日本キリスト改革派灘教会内に設立された昭和神学研究所に引き継がれ、戦後の再興への準備が進められました。神戸神学校および中央神学校を通して一貫して受け継がれてきた伝統は、米国南長老ミッションが重んじた歴史的改革派神学への忠誠、伝道と牧会における熱心な働き、そして神社参拝を偶像礼拝として拒否する姿勢です。この揺るぎない信仰と神学の伝統が、現在の神戸改革派神学校にも引き継がれています。

教授陣と卒業生

神学校には、校長を務める吉田隆牧師や学監の吉岡契典氏をはじめとする現職教授会が組織されています。ステファン・ファン・デア・ヴァット氏や大西良嗣牧師（宝塚教会兼任）らが専任・兼任で教鞭をとっています。また、岡田稔氏、榊原康夫氏、泥谷逸郎氏など、日本の改革派神学を支えた多くの人々がかつて教えを務めました。

卒業生の中には、日本キリスト改革派教会内で指導的な役割を担う人々や、RCJメディアミニストリーなどで奉仕する人々がいます。また、他教派でも著名な働きをする卒業生を輩出しており、日本同盟基督教団の朝岡勝牧師や、福音自由教会の奥山実牧師、大嶋重徳牧師などが知られています。

神戸改革派神学校は、その長い歴史の中で培われた改革派神学の伝統を守りつつ、現代社会における教職者養成とキリスト教研究の発展のために重要な役割を果たしています。関連施設として日本キリスト改革派灘教会があります。詳細は神学校の公式サイト等で確認できます。

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