神戸氏

神戸氏の歴史と系譜

神戸氏（かんべし）は、日本の氏族の一つであり、桓武平氏関氏流に属する豪族です。彼らの起源は、伊勢国河曲郡神戸郷に遡ります。この氏族の成立には多くの諸説があり、その正確な発展過程を把握することは難しいですが、桓武平氏の一部としての位置づけがされています。

起源と初期の歴史

神戸氏の始まりは、関氏第6代の間に起こります。正平22年（1367年）、関盛政が領土を5人の子供たちに分け与え、その長男である盛澄が神戸郷の名を名乗ったことが、神戸氏の成立のきっかけとなりました。また、記録によれば、北畠氏との結びつきも重要な役割を果たしており、神戸氏第4代の神戸具盛（号は楽三）は北畠家から養子として迎え入れられました。

彼らは北伊勢を中心に勢力を拡大し、関氏と並ぶ存在となりました。ただし、時が経つにつれ、北畠氏との関係は薄れ、近江の六角氏からの圧力が増加したため、神戸氏はその後の展開に苦しむこととなります。

戦国時代の変遷

第7代当主の神戸具盛（友盛）は、日野城主の蒲生定秀の娘を妻に迎え、関氏とともに六角氏に臣従することになります。その後、永禄11年（1568年）に織田信長の侵攻があり、神戸氏は信長からの要求を受け入れ、彼の三男を養子として迎え入れることになります。これにより、神戸氏は織田氏の武将として活動を続けることとなりました。

しかし、養子として迎えた三七丸（後の神戸信孝）に対する具盛の冷遇が信長の耳に届くと、元亀2年（1571年）、具盛は近江日野城に幽閉され、実質的には隠居生活を余儀なくされます。元亀3年（1572年）には、三七丸が神戸信孝として元服し、同氏の当主となることになります。

信孝は、その後の本能寺の変によって信長が討たれると、復姓し織田姓を名乗ります。信孝が失脚した後、織田信雄の家老である林与五郎（林正武）が神戸城の主となり、彼もまた神戸の姓を名乗るようになります。与五郎は、自身の嫡子に信孝の妻を迎え入れ、神戸氏の名を継承します。

終焉と復興

その後、神戸与五郎父子は蒲生氏郷に神戸城を追われ、さらには美濃加賀の井で羽柴軍に敗北します。慶長5年（1600年）、具盛が安濃津で亡くなると、神戸家は一時絶家に陥りますが、後に第4代の神戸具盛の男系子孫である政房が神戸姓を名乗ることで家系が復興されます。この流れは、現在まで続いており、兄弟の良政は紀州徳川家に仕えたことで知られています。

歴代当主

• - 神戸盛澄
• - 神戸実重
• - 神戸為盛
• - 神戸具盛（楽三）
• - 神戸長盛
• - 神戸利盛
• - 神戸具盛（友盛）
• - 神戸信孝（織田信孝）

このように神戸氏は、多くの波乱に満ちた歴史を経て、現在まで脈々とその血統を受け継いでいます。

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