神戸貨物ターミナル駅

神戸貨物ターミナル駅：近代的な貨物輸送拠点

神戸市須磨区にある神戸貨物ターミナル駅は、日本貨物鉄道（JR貨物）の山陽本線に位置する貨物駅です。2003年12月1日、阪神・淡路大震災からの復興事業の一環として、神戸港駅の代替駅として開業しました。

抜群の利便性：着発線荷役方式

神戸港駅は、96年にわたる歴史を持つ駅でしたが、東海道本線から分岐した貨物線を使用していました。これに対し、神戸貨物ターミナル駅は、荷役ホームが本線に隣接した設計となっています。この着発線荷役方式により、コンテナの積卸しから出発までをスムーズに行うことができ、輸送時間の短縮と利便性の向上に大きく貢献しています。到着したコンテナは、そのまま出発することが可能なため、リードタイムの大幅な削減を実現しました。

駅の歴史と周辺環境

当駅が建設された場所は、昭和初期から貨物操車場として利用されてきました。神戸市街線の高架化に伴い、兵庫駅の貨物設備は地上に残されたため、兵庫駅と鷹取駅間を結ぶ小運転線で、兵庫駅、新川駅、和田岬駅などを経由して鷹取駅の操車場まで貨物を運び、入換え作業を行っていました。貨物取り扱いの廃止後は、主に留置線として利用されてきました。2000年3月までは、隣接地に西日本旅客鉄道鷹取工場があり、車両の製造・検査が行われていました。

JR西日本の鷹取駅とは、場内・出発信号機を共用しているため、運転士が使用する時刻表では「鷹取・神タ」と表示され、同一駅として扱われています。1987年の国鉄分割民営化後、鷹取駅はJR西日本とJR貨物の駅となり、神戸港駅の業務が2003年に移管される形で、神戸貨物ターミナル駅として改称されました。

駅の構造と貨物取扱い

駅は島式コンテナホーム1面、着発線荷役線3本、着発線3本を備えています。着発4番線にはゴムマットが敷設され、着発5番線でのコンテナ荷役も可能となっています。平屋建ての荷物仕分け施設と、3階建ての駅舎には、JR貨物兵庫営業支店とコンテナを取り扱う通運事業者各社の営業所が入居しています。

取り扱う貨物は、12ft、20ft、30ft、40ftのISO規格海上コンテナなど、JR貨物が取り扱う全種類のコンテナを網羅しています。さらに、産業廃棄物や特別産業廃棄物の取扱許可も取得しており、多様な貨物の輸送に対応しています。川崎車両兵庫工場で製造された鉄道車両は、甲種列車輸送の場合、必ず当駅を経由して各地へ輸送されます。

駅周辺とアクセス

駅周辺には、ヤマト運輸神戸長田営業所などがあります。最寄りの駅は、JR西日本山陽本線の新長田駅と須磨海浜公園駅です。

まとめ

神戸貨物ターミナル駅は、近代的な設備と効率的な運営により、神戸地域の貨物輸送を支える重要な拠点となっています。今後も、地域の経済発展に貢献していくことが期待されます。

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