神明小網橋

神明小網橋（しんめいこあみばし）

概要

神明小網橋は、岐阜県各務原市川島小網町と愛知県江南市宮田神明町にまたがり、木曽川の分流である南派川に架けられた橋梁です。各務原市が管理する市道（市道川2号線）の一部を構成しており、橋の形式としては桁橋が採用されています。

この橋は、地域住民から親しみを込めて「思いやり橋」という愛称で呼ばれています。北方に位置する各務原大橋と一体的に運用されることにより、岐阜県側の各務原市役所や航空自衛隊岐阜基地周辺地域と、愛知県側の名鉄犬山線江南駅周辺を結ぶ重要な交通ルートの一端を担っており、両市間の円滑な交流や移動に貢献しています。

主要諸元

供用開始：2006年（平成18年）11月5日
延長：323 m
* 幅員：11.5 m

歴史

神明小網橋が現在の姿となる以前、この場所には1963年（昭和38年）5月から供用されていた旧小網橋が存在しました。しかし、旧橋は幅員がわずか3メートルと非常に狭隘であり、車両や歩行者のすれ違いが困難で、さらに供用開始から長期間が経過し、老朽化も著しく進行していました。

こうした旧橋の抱える問題を解消し、安全で快適な通行を確保するため、その直下流に隣接して新たな橋を建設する計画が策定されました。新橋の建設工事は2003年（平成15年）に着工され、約3年間の工期を経て完成に至りました。そして、2006年（平成18年）11月5日には竣工を祝う開通式典が執り行われ、正式に供用が開始されました。新しい神明小網橋は、旧橋の約4倍の幅員を持ち、交通容量と安全性が大幅に向上しました。

「思いやり橋」の名の由来

地域で広く使われている「思いやり橋」という愛称は、実は現神明小網橋の誕生よりも古く、かつての旧小網橋の時代から地域住民の間で自然発生的に使われていた通称に由来しています。

新しい橋の名称を定めるにあたり、広く一般からの愛称募集が行われました。その結果、地元の各務原市川島小網町に住む小学生から寄せられた案が採用されることとなりました。この愛称が選ばれた背景には、旧小網橋が幅が狭かったために、通行する人々がお互いに道を譲り合うなど、自然と「思いやり」の心が育まれたという歴史があります。新しい橋になっても、かつての旧橋を利用していた際に人々が示していた相互理解や譲り合いの精神を忘れないように、という願いが込められています。

関連施設

神明小網橋の両岸、岐阜県側の各務原市側と愛知県側の江南市側には、それぞれ親水公園などが整備されています。これらの公園内には、橋の完成を記念するとともに、「思いやり橋」という愛称の由来や橋に関する情報が記された記念碑が設置されており、訪れる人々に橋の歴史や背景を伝えています。また、かつてこの地で人々の往来を支えていた旧小網橋の面影を伝えるものとして、その親柱の一部が公園内に保存・展示されており、新旧の橋の歴史を物語っています。

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