神明神社 (各務原市川島小網町)

神明神社

神明神社（しんめいじんじゃ）は、岐阜県各務原市川島小網町に鎮座する神社です。この神社は、小網地区（現在の川島小網町）の鎮守として古くから崇敬されており、旧社格においては村社に位置づけられました。地元では、小網町神明神社や小網神明神社といった別称でも呼ばれることがあります。

祭神

当社の主祭神は、日本の最高神とされる天照大神（あまてらすおおみかみ）です。

由緒・沿革

神明神社の創建に関する明確な記録は残されておらず、その正確な時期は不明とされています。しかし、江戸時代の初期にあたる徳川秀忠公の治世、具体的には慶長10年（1605年）から元和9年（1623年）の頃には、すでに当地に鎮座していたと伝えられており、少なくとも約400年以上の歴史を有すると考えられます。

明治時代に入り、近代的な社格制度が導入されると、当社は村社に列せられ、地域の神社としてその地位を確立しました。

近年の大きな出来事として、平成23年（2011年）に社殿の移築が行われました。これは、当時進められていた各務原大橋の建設に伴い、境内の一部がそのアクセス道路の用地として使用されることになったためです。この社殿移築と合わせて、社務所や手水所といった境内の主要施設も新たに建設され、境内全体の整備が進められました。

境内社

神明神社の境内には、多くの境内社が祀られています。これらの境内社は、それぞれ異なる神様を祀っており、地域住民の多様な信仰を集めています。

主な境内社とその祭神は以下の通りです。

秋葉神社（祭神：軻遇槌神 - 火伏せの神として知られます）
天満神社（祭神：菅原道真 - 学問の神様として広く信仰されています）
津島神社（祭神：素戔嗚神 - 厄除けや疾病退散の神様です）
金刀比羅神社（祭神：大己貴神 - 国造りの神、また航海安全や商売繁盛の神として信仰されます）
稲荷神社（祭神：倉稲魂神 - 稲や食物、商工業などの神様です）
御鍬神社（祭神：豊受大神 - 食物・穀物を司る神様で、伊勢神宮外宮の祭神としても知られます）

これらの境内社が同一境内に祀られていることは、当地における信仰の広がりを示しています。

その他

神明神社には、いくつかの特筆すべき点があります。

かつて、神明神社と同じ川島小網町の所在地には、臨済宗妙心寺派に属する観音寺という寺院が存在していました。しかし、この観音寺は平成22年（2010年）頃に廃寺となり、その歴史を終えました。興味深いことに、この観音寺の跡地は現在、神明神社の境内の一部として利用されています。前述の社殿移築や新施設の建設時に整備された社務所や手水所などが、この観音寺跡地に建てられています。

また、観音寺が廃寺となった後も、同寺が所有していたいくつかの建物や施設が神明神社の境内にそのまま残されています。これには、子供地蔵が祀られているお堂や、弘法大師を祀る弘法堂、そして六角形の珍しいお堂などが含まれており、神仏習合の名残や地域の歴史を物語る存在となっています。

さらに、境内の一画には、小網地区出身で太平洋戦争などの戦没者の御霊（英霊）を慰霊するために建立された報国烈士碑が設けられています。これは、地域の歴史における戦争の記憶を留め、平和を祈念する意味合いを持っています。

交通アクセス

公共交通機関を利用する場合、各務原市が運行するふれあいバスの川島線に乗車し、「スポーツ公園前」バス停で下車するのが便利です。バス停からは徒歩でおよそ1分ほどの距離に位置しており、比較的容易にアクセスできます。

参考文献

* 川島町 編『川島町史 通史編』川島町、1982年

この文献は、神明神社を含む地域の歴史を知る上で重要な情報源となっています。

神明神社は、江戸時代からの歴史を持ち、近代の社格制度を経て、近年の境内整備や観音寺跡地の利用など、時代とともにその姿を変えながらも、地域の守護神として川島小網町の人々に親しまれ続けています。多くの境内社や観音寺由来の遺構が混在する境内は、当地の歴史と信仰の重層性を示す興味深い場所と言えるでしょう。

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