神根村 (埼玉県)

神根村（かみねむら）

埼玉県北足立郡に存在した神根村は、1940年（昭和15年）に川口市に編入され、その歴史に幕を閉じました。現在の川口市北部、旧村域は「神根地区」と呼ばれ、その名残をとどめています。この地域は、かつては一つの村として独自の歴史と文化を育んでいました。

地理

神根村は、埼玉県のほぼ中央、北足立地域の南部に位置していました。村の西端部には芝川が北から南へと流れ、この川が地域の景観を特徴づけていました。地形的には、芝川に近い西側や谷地を除き、大宮台地鳩ヶ谷支台と呼ばれる台地上に広がっていました。2006年時点の川口市北部、具体的には大字安行領根岸、大字安行領在家、大字道合、大字神戸（ごうど）、大字木曽呂、大字東内野、大字源左衛門新田、大字石神、大字赤芝新田、大字西新井宿、大字新井宿、大字赤山、在家町、北園町の一部、柳根町の一部、柳崎の一部が、ほぼ旧村域にあたります。

歴史

神根村の歴史は、1889年（明治22年）の町村制施行に始まります。この時、安行領根岸村、安行領在家村、道合村、神戸村、木曽呂村、東内野村、石神村、西新井宿村、新井宿村、赤山村、源左衛門新田、赤芝新田が合併し、新たな村「神根村」が誕生しました。この合併により、地域は一つのまとまりとして発展していくこととなります。

1936年（昭和11年）には、武州鉄道が延伸され、武州大門駅と神根駅間が開業しました。大字石神に設置された神根駅は、地域住民の交通手段として利用されました。しかし、鉄道はわずか2年後の1938年（昭和13年）に経営難を理由に廃止されてしまいます。鉄道の廃止は、地域にとって大きな出来事でした。

1940年（昭和15年）4月1日、神根村は北足立郡の鳩ヶ谷町（1950年に再分離）、芝村、新郷村と共に川口市に編入され、村としての歴史を終えました。この合併は、当時の社会情勢や行政の方針によるものでした。しかし、神根村の名前は、現在も「神根地区」として地域の人々に受け継がれています。

2001年（平成13年）には、旧村域に埼玉高速鉄道線の新井宿駅が開業しました。この駅は、地域の新たな交通の要となり、住民の生活を支えています。

関連項目

埼玉県の廃止市町村一覧
武州鉄道

神根村の歴史は、合併と鉄道の廃止、そしてその後の発展という、地域の変遷を象徴するものです。現在の神根地区は、かつての村の歴史を背景に、新たな発展を続けています。

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