神通 (軽巡洋艦)

軽巡洋艦神通の歴史

神通（じんつう）は、大日本帝国海軍の軽巡洋艦であり、5500トン型軽巡洋艦・川内型の二番艦である。この艦名は岐阜県と富山県を流れる神通川に由来しており、艦の存在が日本の海軍史において多くの重要な出来事に関わっている。

艦歴

建造経緯

大正時代、7000トン以上の巡洋艦は「一等巡洋艦」として、7000トン未満の巡洋艦は「二等巡洋艦」と区別されていた。1921年には、軽巡洋艦の建造が計画され、神通の名前が艦艇類別表に登録されることとなった。神通は1922年に神戸川崎造船所で起工し、艦内神社は射水神社に定められた。

1925年に竣工し、初めは呉鎮守府に籍を置き、第一艦隊第三戦隊に編入された。神通の艦歴のなかで特筆すべき事件は、1927年に起きた美保関事件である。これにより神通は一時的に不名誉を背負うこととなった。

美保関事件

1927年8月24日、神通は島根県美保関沖において発生した夜間の演習中に事故に巻き込まれる。演習では、第五戦隊が夜間雷撃訓練を実施しており、神通はその一部として行動していた。しかし、不幸にも号令が乱れ、神通は他の艦艇と衝突し、ボイラーが破損する事態となった。この事故により数名の艦員が命を落とし、艦自体も大きな損傷を受けた。艦長は後に自決し、この事故は「美保関事件」として広く知られるようになった。

太平洋戦争とその後

神通は1930年代に太平洋戦争の業務に従事することとなり、1941年の開戦時には第二水雷戦隊の旗艦としてフィリピンの戦いに参加。以降、様々な作戦に投入され、南方への輸送や支援任務を経て、いくつもの海戦で活躍した。

1942年のガダルカナル島の戦いにおいても神通は重要な役割を果たし、輸送部隊の護衛任務を担っていたが、戦闘の激化とともに艦の損耗も進行した。8月には神通がコロンバンガラ島沖海戦に参加し、最終的に沈没という運命を辿ることとなった。この海戦の中で、神通は敵艦隊との交戦にあたり、燦然とした戦果を上げつつも、攻撃を受け大破し、刻々と迫る運命から逃れられなかった。

艦長

神通には多くの艦長が就任し、その指揮能力の下で艦は様々な任務を完遂してきた。艦長には水城圭次や佐藤寅治郎などが名を連ねており、それぞれの艦長が艦の運命に影響を与えていった。

発見

神通は長い時を経た後、2017年にポール・アレンが率いる調査チームにより、ソロモン諸島近海のクラ湾で発見された。深さ900メートルの海底に横たわる艦体は、その栄光と悲劇を物語っている。

結論

神通は大日本帝国海軍の歴史の中で重要な位置を占めており、多くの戦闘や事件を経て艦船史にその名を刻んでいる。その足跡は、海軍の運命に翻弄された一艦の姿を我々に伝えている。

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