神集島

神集島（かしわじま）

神集島は、佐賀県唐津市に属する小さな島で、玄界灘に浮かぶ位置にあります。島は東松浦半島の北西部、湊町の沖約1kmのところに位置し、その面積は約1.41平方キロメートル、人口は289人（2021年11月現在）です。この島の名前は、神功皇后が新羅に出兵する際に行った儀式に由来しています。

島の特徴と地理

島は主に玄武岩で構成されており、台地状の地形をしています。最高点は南部にあり、北に向かうにつれて緩やかな傾斜が見られます。北端から南西にかけては砂嘴が延びており、自然の防波堤としての役割を果たしています。また、砂嘴の先にある住吉神社は、海の安全を祈願する場所として知られています。湾に面した北西部には神集島漁港があり、生活の中心地として機能しています。

島内には学校は存在せず、廃校の統合により本土の学校へ通う形になります。2004年度には神集島中学校が湊中学校に、2011年度には神集島小学校が湊小学校にそれぞれ統合されました。

歴史

神集島は、古くから重要な停泊地でした。特に、慶長5年（1600年）の関ヶ原の戦いでは、平戸の松浦鎮信、そして肥前国の有名な大名たちがこの島に集まり、戦の行く先を議論したとされています。彼らは德川家康の東軍に加わることを決め、その後の歴史に影響を与えました。

名所と文化

島の北端に位置する住吉神社は、主祭神として住吉三神を祀っています。神功皇后が海上安全のために神々を集めたという伝説があります。また、境内には蒙古軍が捨てたとされる「蒙古碇石」があり、これは地域の文化遺産として市指定の文化財です。

さらに、神集島には独特の自然も存在します。この島の海岸沿いには、ハマユウと呼ばれる美しい花々が自生しており、天然記念物として保護されています。家島の南西端に位置するこの群生地は、九州北部では珍しいスポットです。

万葉集に詠まれる歌碑も7箇所存在し、これらは八穂の歌を歌ったもので、訪れる人々に古の思いを伝えています。これらの歌碑は、万葉学者の犬養孝によって揮毫されました。

交通とアクセス

神集島へのアクセスは、唐津汽船の定期船「からつ丸」を利用することで簡単に可能です。湊町にある湊港から約8分の距離にあり、日々多くの観光客が訪れています。

このように神集島は、自然、歴史、そして文化が豊かに交差する場所であり、訪れる価値のある魅力に満ちています。

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