神鷹丸 (4代)

神鷹丸（しんようまる）

神鷹丸は、東京海洋大学海洋科学部によって保有されている4代目の海洋調査船及び練習船です。この船は、主に海洋に関する教育や研究活動に従事する学生や研究者が利用します。2023年現在、神鷹丸は様々な海洋資源や生物についての調査や実習を行っており、船上での学びの場として重要な役割を果たしています。

概要

神鷹丸は三菱重工業下関造船所で建造され、2015年11月25日に進水しました。進水式では、東京海洋大学学長の竹内俊郎氏による命名が行われ、学生代表による支綱切断も実施されました。2016年3月31日に竣工し、4月5日には晴海ふ頭で正式な披露式が行われました。

この船は、主に日本周辺の海域や太平洋赤道域での活動を想定して設計されており、乗船漁業の実習や海洋調査を実施できます。また、海技士の資格を取得するための教育も提供されています。特に、漁業実習ではトロール、イカ釣り、マグロ延縄など、実践的な漁法を学ぶことができます。

設計と機能

神鷹丸は、振動や騒音の軽減を考慮しており、電気推進システムが採用されています。船の推進は、主発電機が3基あり、推進用の電動機が二基装備されています。可変ピッチプロペラを使用し、推進源と船内用電源を統合した形式で設計されています。この船は自動船位保持装置（DPS）が備えられており、安定した調査・実習を支援しています。

また、災害時には清水や燃料を外部に供給できる設計になっており、搭載されている漁労設備にはトロール網や延縄の他に、新たに流し網の設備も導入されています。観測用設備としては、CTDウィンチ、多目的ウィンチ、一般観測ウィンチなどが完備されています。

船内の施設

神鷹丸の内部には、研究を行うためのウェットラボやドライラボが設置されています。これにより、実践的な研究や学習を行うための環境が整っています。ラボの面積は拡大されていますが、収納スペースは若干縮小されています。加えて、乗員の居住スペースも見直され、より快適に過ごせるようになっています。具体的には、学生居室の定員が6名から4名に変更され、全ての居室が個室に改装されています。

先進的な観測設備

神鷹丸には多彩な観測機器が装備されており、研究者や学生は様々なデータを収集することが可能です。ウィンチや音響計測装備、漁網監視装置、さらには環境センサ等も整備されており、詳細な観測が実施可能です。これらの機器は、海洋環境や生物の状況に関する重要なデータを提供し、より深い理解を得る助けとなります。

このように、神鷹丸はその先進的な設計と多様な設備を通じて、海洋科学の教育と研究の場として、日本国内外で期待される存在となっています。

もう一度検索