福井地震

福井地震 (1948年)

福井地震は、1948年6月28日16時13分に福井県嶺北地方で発生した、マグニチュード7.1の地震である。震源は福井市の北北東約10キロにあたる坂井市丸岡町付近で、震度6を記録し、その影響は福井平野全域に及んだ。この地震は、戦後復興が進んでいた福井市において、都市直下型の地震として記憶に刻まれている。

被害状況

地震の直接的な影響で、死者は3,769人、負傷者は22,000人を超え、全壊した家屋は約36,000戸に達した。特に、福井県坂井郡金津町や丸岡町などの地域では、ほぼ全戸が倒壊したと言われている。また、福井市内でも79%の家屋が全壊し、福井平野全域では60%以上が倒壊した。地震による激しい揺れは、猛暑に続く大雨を引き起こし、堤防が決壊し水害が発生、複合的な災害をもたらした。

この震災は関東大[[震災]]や濃尾大震災に次ぐ大震災であり、40年後の東日本大[[震災]]や阪神淡路大震災と並ぶ大きな被害をもたらした。

火災と水害

震災の後には火災が多発し、特に福井市と丸岡町では火事による損害が顕著であった。福井市でも、地震の直後に建物が崩れ、住民は避難するまでの時間がなかったため、多数の火災が発生した。さらに、九頭竜川や日野川の堤防が壊れ、7月23日から25日にかけての記録的大雨によって大規模な浸水が起き、約28,000人が被害を受けた。このように、福井地震は火災と水害の複合災害としても知られ、都市全体が逆風の中で試練を強いられた。

地震のメカニズム

福井地震は北北西-南南東方向の横ずれ断層により引き起こされたとされる。しかし、明確な地震の断層は認められていない。多くの研究者は、福井平野の厚い地層が、地震の被害をさらに大きくした原因の一つではないかと考えられている。

復興の道

震災後、福井市は市民の努力により驚異的なスピードで復興を果たし、復興のシンボルとして「不死鳥のまち」として再生を果たした。都市計画法が適用され、大規模な復興工事が行われ、新しい街が形成された。こうした経験から、都市防災への意識も高まり、その後の日本の建築基準や防災に関する法律の見直しが行われた。

教訓

福井地震は自然災害への対応においての重要な教訓を残し、今もなお災害対策における基準として語り継がれている。復興の過程や教訓を後世に伝えるべく、福井市では毎年追悼式が行われている。

1952年には福井復興博覧会が開催され、震災からの復興を誇示した。この博覧会を皮切りに、町のシンボルとして強く印象に残る「不死鳥」の名が後世へと受け継がれている。

福井地震は、単なる自然災害の一例ではなく、都市の人々が希望を持って生き延び、力を合わせて新たな未来を築くための物語である。

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