福井大学附属国際原子力工学研究所

福井大学附属国際原子力工学研究所について

福井大学附属国際原子力工学研究所（通称：RINE）は、2009年に設立された福井大学の附属研究機関です。この研究所は、原子力工学の分野において北陸・中京・関西地域の大学や研究機関との広域的な連携を促進することを目的としています。現在、福井県敦賀市に所在し、2009年の設立当初は福井市の文京キャンパス内にありましたが、2012年に専用の施設が敦賀駅前に完成したのを機に移転しました。

設立以来、RINEは「世界トップレベルの特色ある原子力人材育成及び研究開発を行い、環境と調和した持続的なエネルギー供給基盤を持つ世界の構築に貢献する」というスローガンのもと、さまざまな研究活動を行っています。福島第一原子力発電所の事故や、もんじゅの廃止決定を受けても、その体制を柔軟に変えながら教育及び研究を続けています。

研究分野

福井大学附属国際原子力工学研究所では、原子力工学に関連する多岐にわたる研究が実施されています。具体的には、地震や熱流動、廃止措置に関する研究を含みます。2016年からは、研究所と連携した学部生のコースが設立され、大学院への一貫教育プログラムも提供されています。これにより、学部生は原子力に関する広範な知識と技術を身につけられる環境が整いました。

立地

敦賀市は「原発銀座」とも呼ばれる若狭湾岸に位置しており、多くの原子力発電所や関連施設が集まっています。この地域に立地する日本原子力発電敦賀発電所や日本原子力研究開発機構の施設は、原子力分野の中心地としての役割を果たしています。RINEもこの地を選び、他の大学や機関との連携を強化しています。

施設概要

研究所の施設は、敦賀市が建設し福井大学に貸与しています。鉄筋コンクリート造の地上3階建てで、敷地面積は5700平米、延床面積は6997平米となっています。

組織構成

研究所は以下の部門に分かれており、それぞれ特定の研究領域に特化しています。

• - 原子炉物理学部門
• - 原子炉熱水力部門
• - 原子炉燃材料部門
• - 原子炉構造システム・廃炉措置部門
• - 廃炉措置、廃棄物処分・処理
• - 耐震・耐津波
• - システム設計
• - 原子炉防災・危機管理部門
• - シビアアクシデント評価、危機管理
• - 放射線計測・測定
• - 基準・規則国際化
• - 国際交流・人材育成推進部門

教育プログラム

大学院生は原子力・エネルギー安全工学専攻または安全社会基盤工学専攻に所属し、原子力安全工学に関する講義や卒業研究を行っています。加えて、機械・システム工学科の学生も原子力安全工学コースで学び、卒業研究を実施できる環境も整っています。

イベント

RINEでは、大学院入試説明会や一般公開などのイベントが定期的に開催され、外部機関とも連携した行事も行われています。これにより、研究所の活動や成果を広く一般にお知らせし、地域とのつながりを強化しています。

所長の紹介

これまでの所長は、初代が竹田敏一、2代が安濃田良成、3代が宇埜正美です。彼らはそれぞれの時期において、研究所の活動を支え、原子力分野の発展に寄与してきました。

福井大学附属国際原子力工学研究所は、今後も持続可能なエネルギー供給基盤の確立と原子力に関する研究の推進に注力し続けるでしょう。

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