福井正明

福井正明（ふくい まさあき）は、1944年1月15日生まれの日本の囲碁棋士です。東京都出身で、日本棋院に所属しています。岩本薫九段の門下で、九段の段位を持っています。実弟も同じく囲碁棋士の福井進九段です。

福井正明は、アマチュア時代からその才能を発揮し、1954年に日本棋院の院生となりました。1959年には岩本薫九段に入門し、囲碁の道を本格的に歩み始めます。また、この頃には藤沢秀行の研究会にも参加し、さらに研鑽を積みました。1962年に入段を果たし、同年二段へと昇段しました。

その後も順調に昇段を重ね、1967年に五段、1975年に七段となります。1977年には首相杯戦で準優勝、1980年には同棋戦で優勝を果たしました。同年には棋聖戦七段戦でも優勝しています。1984年には八段、2003年には九段へと昇段しました。また、1991年には碁聖戦でベスト8に進出するなど、数々の棋戦で活躍しました。

福井正明は、勝負の世界だけでなく、囲碁の研究、特に古碁の研究にも力を注いでいます。その研究成果は、著書や雑誌連載などで発表され、多くの囲碁ファンや研究者に影響を与えています。

また、1965年には大手合第二部で優勝、1984年には第一部で全勝し3位という成績を収めています。1980年には、その功績が認められ、棋道賞殊勲賞を受賞しました。

福井正明は、2008年に通算600勝を達成しました。これは、長年にわたる彼の努力と才能の証であり、多くの囲碁ファンに感動を与えました。

主な著書

福井正明は、多数の著書を執筆しており、その中でも特に古碁に関する書籍が多く、詳細な解説と深い洞察に定評があります。

『NEW別冊囲碁クラブ NO.20 囲碁史談 運命の一手88選』日本棋院（編）、福井正明監修、相場一宏構成、日本棋院、1989年
『道策全集』（1933年刊の校訂版）日本棋院 1991年
『秀麗秀策 古典名局選集』日本棋院 1992年
『堅塁秀和 古典名局選集』日本棋院 1995年
『完本 本因坊秀策全集』（全5巻）誠文堂新光社 1996年
『碁神道策』日本棋院 2003年
『幻庵因碩打碁集』誠文堂新光社 2005年
『碁界黄金の十九世紀-江戸後期から明治‐日本の碁を頂点に導いた名手たち』日本棋院 2007年
『囲碁古名人全集-すべては算砂・道碩から始まった』誠文堂新光社 2007年
『囲碁史探偵が行く 昔と今 碁打ちの物語』日本棋院 2008年
『名人・名局選 秀策』誠文堂新光社2008年
『名人・名局選 秀和』誠文堂新光社 2009年
『名人・名局選 丈和』誠文堂新光社 2009年
『名人・名局選 大仙知』誠文堂新光社 2009年
『名人・名局選　秀甫』誠文堂新光社　2009年
『道的・道節・道知 元禄三名人打碁集』誠文堂新光社 2009年
『名人・名局選　道策』誠文堂新光社　2010年
『名人・名局選　秀栄』誠文堂新光社　2010年
『囲碁・付録 名局細解 2012年3月号 Kindle版』（明治16年 村瀬秀甫八段 VS 水谷縫次六段 福井正明解説、相場一宏構成 2015/10/19

その他の著書

『詰碁ジョイブックス3 上級編 』日本棋院　1983年
『新しい詰碁　二・三・四段 』成美堂出版　1989年
『囲碁特訓 五×五-碁道盤上達法』日本棋院 2000年
『画期的上達法 五路盤問題集』日本棋院 2002年
『明快!定石誕生事典』フローラル出版 2005年
* 『詰碁 のんびり・じっくり 楽しみながら強くなる』（レベル1～レベル5）誠文堂新光社 2007年


これらの著書は、福井正明の囲碁に対する深い愛情と、長年の研究成果が結実したものであり、囲碁ファンにとって貴重な資料となっています。

福井正明の囲碁への貢献は、単なる棋士としての活躍にとどまらず、古碁の研究、発掘、紹介を通して、囲碁文化の発展に大きく寄与しています。彼の活動は、現代の囲碁界において、重要な役割を果たし続けています。

参照：[日本棋院]]「[福井正明」

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