福井県道268号福井森田丸岡線

福井県道268号福井森田丸岡線：福井市と坂井市を結ぶ新道路

福井県道268号福井森田丸岡線は、福井県福井市と坂井市を繋ぐ一般県道です。全長6.7kmの路線は、福井市街地の慢性的な交通渋滞の緩和と、福井港へのアクセス向上という二つの大きな目的を持って計画・建設されました。

整備の背景：慢性的な渋滞と港湾アクセス

福井市街地において、国道8号（福井バイパス）や旧国道8号（福井県道30号福井丸岡線）は、特に平日朝夕や休日昼間には激しい渋滞が発生していました。この渋滞緩和のため、既存道路のバイパスとして、もう一本の主要道路の整備が強く求められていました。一方、坂井市側では、地域高規格道路（事業中）との接続による、福井市北東部から福井港への所要時間短縮が期待されていました。これらのニーズに応える形で、福井県道268号福井森田丸岡線の整備事業が推進されました。

建設と特徴：新幹線と一体構造の橋梁

建設は平成期以降に行われ、福井市北東部の平坦な区間では、大規模な土地区画整理事業と並行して整備されました。この土地区画整理事業は、北陸新幹線建設に伴うもので、400haを超える広大な面積に及びます。この事業に合わせ、県道は都市計画道路として整備され、九頭竜川を渡る区間は、2車線一方通行の道路が2本建設されました。

特に注目すべきは、九頭竜川に架かる新九頭竜橋です。全長415mの新九頭竜橋は、全国で初めて、北陸新幹線九頭竜川橋梁と一体構造で設計・建設されました。このため、鉄道建設・運輸施設整備支援機構が橋脚の建設を代行し、新幹線と道路の両方の基準を満たす構造となっています。この革新的な設計により、建設コストの削減と、維持管理の効率化に大きく貢献しました。

坂井市区間は、暫定2車線で供用開始されました。

開通と路線データ

2022年3月22日、福井県道30号福井丸岡線の一部として、本路線の全区間が新たに指定されました。しかし、本路線の指定も継続され、標識等も県道30号現道との重複区間を除き、本路線のみを表示しています。

同年10月22日、九頭竜川渡河区間の開通が発表され、福井市区間のほぼ全線が繋がりました。

路線データ

起点：福井県福井市開発五丁目（国道416号（藤島通り）との交点）
終点：福井県坂井市春江町沖布目（福井港丸岡インター連絡道路との交点）
延長：6.7 km
車線数：福井市域は4車線、坂井市域は暫定2車線

関連道路との接続

本路線は、国道416号、福井県道111号舟橋松岡線、福井県道112号栃神谷鳴鹿森田線、福井県道30号福井丸岡線、福井県道160号板倉高江線、そして福井港丸岡インター連絡道路と接続しています。これらの道路との接続状況は、区間によって整備状況が異なり、今後更なる整備が進む予定です。

まとめ

福井県道268号福井森田丸岡線は、地域の交通渋滞緩和と港湾アクセス向上に大きく貢献する重要な道路です。新幹線との一体構造という画期的な技術を用いた新九頭竜橋は、その象徴と言えるでしょう。今後の更なる整備により、地域経済の活性化にも繋がることが期待されます。

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