福原俊丸

福原俊丸：華族、政治家、そして技術者

福原俊丸（1876-1959）は、明治から昭和にかけて活躍した日本の華族であり、貴族院議員としての政治活動でも知られています。旧宇部領主福原家の第27代当主という家柄を受け継ぎ、その生涯は華族社会、そして日本の政治と深く結びついていました。

輝かしい経歴：技術者から政治家へ

1901年、福原俊丸は帝国大学機械工学科を卒業。その後、京都帝国大学理工科で講師を務めるなど、技術者としてのキャリアを歩み始めます。東京砲兵工廠や大蔵省臨時建築部技師として、国家の重要なインフラ整備にも携わりました。大蔵省臨時建築部での勤務は、1906年から始まり、1911年には横浜支部を兼務するなど、その能力は高く評価されていました。

技術者としての経験を背景に、福原俊丸は政治の世界へと進出します。1914年、貴族院議員補欠選挙に当選し、日本の政治の中枢に身を置きます。その後も貴族院議員として複数回当選し、任期を全うしました。1942年には隠居するまで、貴族院議員として日本の政治に貢献し続けました。

栄誉と勲章：国家への貢献の証

福原俊丸の功績は、数々の栄典によって称えられました。1900年には男爵の爵位を授与され、その後も勲章を幾度も受章しています。1912年の勲五等瑞宝章を皮切りに、勲四等、勲三等瑞宝章と昇叙を重ね、正四位、正三位に叙せられました。これらの栄典は、彼の技術者、そして政治家としての国家への貢献が認められた証といえるでしょう。

家族と親族：華族社会における繋がり

福原俊丸の私生活にも目を向けると、華族社会における繋がりや家族関係が垣間見えます。父は裁判官を務めた福原良通。妻は児玉恕忠の養妹である児玉つるです。長男の俊一郎は文学士でしたが、1937年に廃嫡となっています。長女の博子は千代田高等女学校卒業後、医師の山田鉄郎と結婚。次男の仰治、次女の香代も華族社会で育ちました。1942年には、毛利元道の次男である福原元宏を養子として迎え、家督を相続させています。

歴史的記録：文献からの情報

福原俊丸の生涯については、いくつかの文献に記録が残されています。『議会制度百年史 - 貴族院・参議院議員名鑑』は、彼の貴族院議員としての活動の詳細を記しています。また、『働き盛りの男』という作品にも、福原俊丸に関する記述があると言われています。これらの文献は、彼の生涯を詳細に理解するために重要な資料となっています。

まとめ：多様な側面を持つ人物像

福原俊丸は、技術者として、政治家として、そして華族の当主として、多様な側面を持つ人物でした。帝国大学卒業というエリートコースを歩みながらも、政府機関や貴族院で活躍し、日本の近代化に貢献しました。数々の栄典、家族関係、そして残された文献から、彼の波乱に満ちた生涯と、当時の日本の社会構造を垣間見ることができます。彼の存在は、近代日本の歴史を理解する上で重要な一端を担っていると言えるでしょう。

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