福屋製菓

有限会社福屋製菓の歴史と展望

有限会社福屋製菓（ふくやせいか）は、かつて石川県白山市に本社を構えていた菓子メーカーです。この会社は、1949年（昭和24年）に福富屋製菓として設立され、1953年（昭和28年）には法人化されました。その後、1996年（平成8年）に製造部門を独立させる形で福屋製菓が設立されました。

福屋製菓の主力商品である揚げあられ「ビーバー」は、福富屋製菓時代からの人気商品であり、特にテレビコマーシャルの効果も相まって北陸地方では高い知名度を誇っていました。ピーク時の1980年1月期には、売上高が3億8100万円に達していたという実績があります。

しかし、大手メーカーとの競争が激化し、消費者の嗜好が多様化した影響で売上は減少していきました。1996年に製造部門を他社に売却した後は、営業活動に専念したことで、売上は約5500万円から1億円まで回復しました。

福屋製菓は、原材料や製造方法に強いこだわりを持ち、価格競争には苦しみながらも、コンビニエンスストアへの流通先の拡大やカレー味などの新商品の発売に取り組みました。おかげで、2008年1月期には約9400万円の売上を記録しました。

しかし、その後は原材料価格の高騰により、経営状況は再び厳しくなり、2010年には石川県産業創出支援機構の「いしかわ産業化資源活用推進ファンド」に支援を受けることとなり、2012年までの3年間で300万円の助成金を獲得、新製品の開発や県外の市場への進出を目指しました。しかし、資金繰りの悪化は続き、金融機関への返済猶予を申請せざるを得ない状況に陥りました。

2013年にビーバーのパッケージデザインを一新し、生産効率を上げるためにビーバー以外の製品の製造をほぼ中止しました。その結果、販路の拡大が期待されていたものの、運転資金の急増に対応できず、同年9月20日には事業を停止し、自己破産の準備に入りました。負債額は、帝国データバンクによれば1億6500万円、東京商工リサーチによれば1億7000万円とされています。

ビーバーの販売が停止されると、地域のスーパーでは商品の撤去が始まったものの、消費者の中には最終のチャンスを逃すまいと、まとめ買いする人々も見られました。2014年3月25日、金沢地方裁判所から破産手続きの開始決定を受け、福屋製菓としての活動は終止符を打つこととなりました。しかし、ビーバー商品はその後、金沢市の北陸製菓が製造を引き継ぎ、福屋製菓の従業員を受け入れた上で、2014年8月には販売を再開しました。

沿革

• - 1949年（昭和24年） - 福富屋製菓創業
• - 1996年（平成8年） - 福富屋製菓の製造部門が独立し福屋製菓設立
• - 2005年（平成17年） - ビーバー「カレー味」を発売
• - 2010年（平成22年） - 「いしかわ産業化資源活用推進ファンド」に採択
• - 2013年（平成25年）9月20日 - 事業を停止し自己破産手続きへ
• - 2014年（平成26年）3月25日 - 金沢地方裁判所から破産手続開始決定を受ける

商品

• - ビーバー
• - 名月

外部リンク

• - ビーバーの福屋製菓 - インターネットアーカイブによる2013年9月28日現在のキャッシュ

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