福山市本通・本通船町商店街

福山市本通・本通船町商店街

福山城近くに位置する本通・本通船町商店街は、広島県福山市にある歴史ある商業エリアです。福山駅の東側、約500メートルの距離に広がるこの商店街は、北浜通りを挟んで「本通商店街」と「本通船町商店街」の二つのエリアから成り、合計で約440メートルにわたる連続した買回り型商業街を形成しています。商店街の北端にはJR山陽本線と山陽新幹線の高架、南端は国道2号に接しています。

沿革と背景

本通商店街の発展は、元和8年（1622年）に水野勝成が福山城を築いたことから始まります。城下町として整備されたこの地域は、商業活動や市場機能が集まる場所となりました。さらに、入川を通じて城の外堀と瀬戸内海が結ばれ、木綿市が開かれるようになり、歴史的な商業の拠点としての地位を確立しました。

明治24年（1891年）の山陽本線福山駅の開業により、商店街の北端が確定します。アーケード通りは1938年に埋め立てられるまで存在し、その後、本通リニューアル工事により合体した形となりました。

アーケードには1928年に最初の屋根が設置され、その後、1945年の福山大空襲を経て、徐々に発展していきました。1951年には本通アーケード、1956年には本通船町アーケードが完成し、福山市の商業中心地として賑わいを見せました。しかし、1990年代には郊外型店舗の増加や駅前大型商業施設の影響で、商店街は活気を失い始めました。

とおり町Street Garden

2009年には地域商店街活性化法が施行され、老朽化したアーケードと商業活動の復活を目指した「とおり町Street Garden」というリニューアル事業が始まりました。このプロジェクトの一環として、アーケード屋根が撤去され、約7000本のワイヤーが導入されるなど、斬新なデザインが採用されました。これにより、緑化が進み、電線が目立たない美しい街並みが生まれています。

現在の商店街とコミュニティ活動

本通・本通船町商店街では、地域コミュニティの促進をテーマにした店舗の誘致や、様々なイベント、研修事業が行われています。例えば、「とおり町交流館」や「船町郵便局」など、地域住民が利用するための施設も充実しています。商店街は地元の人々にとっての憩いの場であり、訪れるたびに新たな発見があることでしょう。

交通アクセスも良好で、JR福山駅からは徒歩10分の距離にあり、周辺には複数のコインパーキングがあります。バス停も近くに位置し、訪問者にとって便利な立地となっています。

福山市本通・本通船町商店街は、長い歴史の中で再生と発展を繰り返しながら、地域の中心としての役割を果たしてきました。今後も新たなイベントやコミュニティ活動を通じて、更なる活性化が期待される場所と言えるでしょう。

もう一度検索