福山市神辺歴史民俗資料館

福山市神辺歴史民俗資料館について

福山市神辺歴史民俗資料館は、広島県福山市（旧神辺町）に位置する民俗資料館で、地域の文化や歴史を保存し、紹介する役割を担っています。この資料館は公益財団法人福山市かんなべ文化振興会によって運営されており、地域の歴史に深く根ざした活動を実施しています。

概要

資料館は、神辺の市街地南部の丘陵にあります。この地域には戦国時代から江戸時代初期にかけて政治の中心地であった神辺城の本丸跡があり、付近には吉野山公園が広がっています。この公園は市民の憩いの場として利用されていますが、資料館の建物は城郭風のデザインを採用しているものの、歴史的な背景に根拠のない新たに建てられた建築物であり、神辺城の遺構は直接関係ありません。

展示と開館情報

資料館では、古墳時代の遺物や農機具など、神辺町内から発掘された多彩な展示品が揃っています。これらの展示は、訪れる人々に地域の歴史と文化を感じてもらうことを目的としています。開館時間は午前9時から午後5時までで、月曜日と年末年始は休館日としています。入館料は無料ですが、訪問者に楽しんでもらえるような工夫が施されています。

設立の経緯

福山市神辺歴史民俗資料館の設立当初、計画では神辺城の本丸部分に模擬天守を建設することが考えられていました。しかし、この案は地域の歴史を無視し、遺構を破壊する恐れがあったため、地元の郷土史会から強い反対意見が寄せられました。実際の事前調査では、多数の遺構が確認されたことから、計画の見直しが余儀なくされました。最終的には、神辺城に接続する吉野山の山頂部に城郭風の建物が建設されることとなりました。

当初、神辺町は神辺城の二の丸部分に公園整備を進めていたため、その遺構も未調査のまま破壊されてしまいました。このような経緯がありながらも、資料館は約110mの山上に位置しているため、公共交通機関からのアクセスは少し不便で、最寄りのバス停から20分ほど徒歩を要します。また、敷地が狭いために展示の拡充が難しく、特に菅茶山に関する資料は1992年に新設された菅茶山記念館へ移されました。

入場者数と歴史

このような条件から、福山市神辺歴史民俗資料館の年間入場者数は約5000人と、福山市内の他の歴史施設の中では最も少ない数となっています。2014年度の実績は5,578人でした。1979年に神辺町歴史民俗資料館として開館し、その後1992年に菅茶山記念館の開館により展示内容が縮小され、2006年には福山市との合併に伴い現名称に変更されました。

参考資料

詳しい情報は、福山市神辺歴史民俗資料館の公式ウェブサイトや関連する観光情報サイトをチェックすることで得られます。

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