福岡市交通局4000系電車

福岡市交通局4000系電車

福岡市交通局4000系電車は、福岡市地下鉄の通勤形電車であり、1981年の開業以来使用されてきた1000系とそのリニューアル車の1000N系に代わる新型車両です。老朽化した1000N系を置き換えるため、2024年度から2027年度までの期間に、同車両と同数の108両が導入される予定です。製造は川崎車両が担当し、2024年4月24日に最初の編成が搬入されます。この4000系は、1992年以来32年ぶりに登場する空港線・箱崎線用の新型車両となります。

車体のデザイン

車体の配色は、既存の1000N系や2000系が採用しているブルーのラインを引き継いでいますが、新たに「空の玄関口」としての福岡空港を意識したスカイブルーのラインが車体中央に施されています。このデザインは、訪れる人々に希望の未来を感じさせることを目指しています。

快適な内装

内装では、座席はロングシートが採用されているものの、1人あたりの座席幅を480mmと国内最大とすることで快適性が向上しています。また、袖仕切りや荷棚にガラスを使用することで、明るく開放感のある車内空間が実現されています。

特に福岡空港・貝塚寄りの6号車には「フリースペース」が設けられ、子供連れや車椅子利用者、キャリーバッグなどの大きな荷物を持つ乗客に配慮した設計となっています。この部分には大型の荷物置き場や子供が車窓を楽しめる大きな窓が設置され、保護者が腰掛けられる座席も用意されています。また、全車両には優先席が用意され、座席の高さが通常よりも60mm高く設計されています。これにより、立ち座りがしやすくなっており、仕切りのひじ掛けが設置されています。さらに、優先席の向かい側には介助者が休憩できるスペースも設けられています。

先進の案内システムと安全対策

車内案内表示装置は3画面の液晶ディスプレイが使用され、2画面は路線図や次駅の案内用、残りの1画面はニュースや広告として活用されます。また、車両には防犯カメラが4台設置され、乗務員や交通局の職員がリアルタイムで監視できるようになっています。これにより、迅速な状況把握が可能となり、安全性が高まっています。

機器類の先進性

主電動機には、営業列車の本格導入としては世界初の同期リラクタンスモーターが採用されています。このモーターは既存の3相誘導電動機と比べ、さらに高い効率を実現しており、使用電力量は約20％の削減が見込まれています。台車にはリンク式片軸操舵台車が採用され、曲線通過時の安定性が向上し、走行音の軽減にも寄与しています。

運行開始までのスケジュール

最初の編成が2024年4月24日に搬入された後、同年5月20日には試運転が開始される予定です。本格的な営業運転の開始は、2024年秋頃を予定しています。これにより、福岡市が誇る新しい交通手段として、多くの利用者に親しまれることでしょう。

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