福岡県社会保育短期大学

福岡県社会保育短期大学の概要

福岡県社会保育短期大学は、1967年に福岡県田川市に設立され、1993年に廃止された公立の短期大学である。キャンパスは福岡教育大学の分校跡地に位置し、社会福祉隈省及び保育に関する専門的な学びを提供していた。当初、主に社会福祉科と保育科の2つの学科が設けられ、それぞれ50名の学生を受け入れていた。しかし、定員以上の学生を迎えることもあった。

教育理念と特色

福岡県社会保育短期大学の教育理念は「社会福祉及び保育に関する専門的学理と応用を教授研究し、もって社会福祉に関する職業に必要な能力を有する人材を育成すること」とされており、社会福祉と保育の職業に必要な専門知識と技術を身につけることに重点を置いていた。また、保育科には男子学生の入学も可能であり、全国的にも少数派の取り組みが行われていた。

学生生活とクラブ活動

学生生活は活発で、体育系や文化系の多様なクラブ活動が展開されていた。スポーツ系には卓球やバドミントン、バレーボールなどがあり、文化系には演劇、茶道、美術などがあった。また、地域貢献に向けたボランティア活動も盛んで、「つくしんぼ」や「湯山荘ボランティアサークル」、さらには「点字同好会せせらぎ」などのサークルが存在した。

歴史的な沿革

福岡県社会保育短期大学の歴史は、1952年に福岡県立保母専門学院が創設されたことに遡る。1954年には保母養成所に改称され、1967年には文部省から正式に短期大学として認可された。1981年から1984年には校舎が全面改築され、より良い学習環境が整備されたが、1991年度をもって新たな学生の受け入れを停止し、1993年に正式に廃止された。最後の在籍者では社会福祉科が52名、保育科が56名であった。

取得可能な資格と就職先

福岡県社会保育短期大学では、保育科の学生は保母資格や幼稚園教諭二種免許状を取得することができ、社会福祉科では社会福祉主事任用資格が提供されていた。卒業生は保育所や幼稚園、あるいは社会福祉関係の施設に就職するケースが多く見られ、地域で必要とされる職業人材として活躍していた。大学の附属幼稚園もあり、実践的な教育の場でもあった。

大学のシンボルと設備

大学歌は倉野憲司によって作詞され、江口保之が作曲したもので、学生たちの心の拠り所となっていた。キャンパス内には管理棟、教育棟、音楽棟、体育館、プール、テニスコートなどの充実した設備が整備されていたほか、学内には寮も存在し、遠方からの学生でも安心して学べる環境が提供されていた。

閉校後の影響

福岡県社会保育短期大学は閉校後もその存在感を持ち続けており、教育分野や地域社会において多くの卒業生が活躍している。大学が発行した『福岡県社会保育短期大学25年記念誌』などは、その歴史と影響を振り返る貴重な資料として今なお評価されている。

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