福岡県立山田高等学校

福岡県立山田高等学校について

福岡県立山田高等学校は、福岡県嘉麻市上山田に位置する男女共学の高等学校でした。学校は1994年に設立され、2007年3月31日に閉校するまでの間、地域に大きな影響を与え続けました。本校は、地元では「山高」と呼ばれ、多くの卒業生に愛されました。

沿革

旧制中学時代

1943年、福岡県立嘉穂中学校の入試競争倍率を緩和するために、嘉穂郡山田町に設立されたのが福岡県立山田中学校でした。1944年には、山田工業学校も開校し、技術教育を提供する場となりました。1948年の学制改革により、山田中学校は福岡県立山田高等学校に改称されました。この時に普通課程と定時制課程が設置され、男女共学が導入されました。

その後、1953年には校歌が制定され、1955年には電気科が設置されるなど、学校の教育課程の充実が図られました。しかし、1972年に導入された中学区制の結果、入試志願者が他校に流れてしまうようになり、学校の定員は年々減少していきました。1977年からは定員割れの状態が続きました。

新制高校時代

山田高等学校は、石炭産業全盛期にはサッカー部が全国大会で好成績を収め、多くの難関大学への合格者を輩出しました。しかし、1960年代末から石炭産業が衰退し、地域の人口減少も重なり、学校へ通う生徒数が減少していきました。さらに、80年代に入ると毎年のように閉校の噂が立つようになりました。

1990年代には、普通科英語コースや体育コースの設置を試みるも実現しませんでしたが、社会人向けの学校開放講座やサッカー部再建運動などを行い、地域貢献に努めました。特に、1998年から始まった「ホタル祭り」や「山田高校フラワープロジェクト運動」は地域活性化の一助となりました。

廃校

山田高等学校は、2004年に福岡県立嘉穂総合高等学校に統廃合されることが決定し、最後の入試も行われました。2007年、校舎は閉校となり、地元住民は深い悲しみを感じました。旧校舎の跡地には記念碑が建てられ、学校の歴史を伝えています。

校訓と校歌

本校の校訓「勤労」「責任」「礼節」は1993年に制定され、当時の卒業生たちの礎の上に立ったことを示しています。また、校歌も1953年に制定され、地元の文化の一部となっています。校歌は学校行事で多く歌われましたが、応援歌も同様に人気がありました。

影響と地域貢献

山田高等学校は、地域の教育の場としても重要であり、福祉的な存在としても機能しました。定時制課程を通じて多くの勤労学生を受け入れ、社会のニーズに応える役割を果たしていました。地元の文化や地域イベントの支援を行い、社会人向けセミナーも開催されました。若い世代にとって、教育機関としての重要性が高いものでした。

著名な卒業生

本校の卒業生の中には、著名な人物も多く、NHK第21代会長の籾井勝人や劇作家のつかこうへいなどが名を連ねています。彼らは多方面で活躍し、それぞれの道で山田高等学校の名を高めました。

結論

これらの歴史と影響を持つ山田高等学校は、かつて地域の教育を支えた重要な施設でした。廃校という形でその幕は閉じましたが、その精神や伝統は今なお受け継がれています。関係者や卒業生たちは、山高の思い出を胸に、未来を見据え続けています。

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