福島喜裕

福島 喜裕（ふくしま よしひろ）

日本の著名な打楽器奏者であり、音楽学者としての顔も持つ。現在は公益財団法人日本フィルハーモニー交響楽団のパーカッション奏者を務めている。これまでにも、徳島文理大学音楽学部での講師や、東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団のパーカッション奏者など、多岐にわたる経歴を持つ。

概要

徳島県に生まれ、打楽器奏者としてキャリアを築いた。特に、日本フィルハーモニー交響楽団の定期演奏会において、バルトーク・ベーラ作曲の『2台のピアノと打楽器のための協奏曲』でソリストとして演奏したことは、彼の名声を不動のものとした。また、現代音楽の分野にも貢献し、ミニマル・ミュージックの代表的な作曲家であるスティーヴ・ライヒの『クラッピング・ミュージック』を日本にいち早く紹介するなど、革新的な活動を展開した。打楽器そのものに対する造詣も深く、日本製シンバルの第一号を所有していることでも知られている。演奏活動に加え、教育者としても熱心であり、徳島文理大学などで教鞭を執り、未来を担う後進の育成に力を注いできた。全国各地で打楽器を使った体験型ワークショップを開催するなど、一般への普及活動にも積極的に取り組んでいる。

経歴

生い立ちと学歴

徳島県鳴門市で少年時代を過ごした。音楽の道を志し、武蔵野音楽学園が運営する武蔵野音楽大学音楽学部へと進学。大学在学中から、すでに東京都内のプロの管弦楽団で演奏活動を開始するなど、その才能は早くから認められていた。1978年（昭和53年）に武蔵野音楽大学を卒業し、芸術学士の称号を取得した。打楽器は小林美隆氏、佐藤英彦氏に師事し、マリンバは高橋美智子氏らに学んだ。また、ヴェルナー・テーリヒェン氏からも指導を受ける機会を得た。

音楽家としての歩み

学業を終えた後、村崎学園が設置する徳島文理大学に奉職し、音楽学部で講師として後進の指導にあたった。その後、1982年（昭和57年）には東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団に入団し、オーケストラのパーカッション奏者としてのキャリアを本格的にスタートさせた。1993年（平成5年）には、より活動の場を広げるため、財団法人日本フィルハーモニー交響楽団へと移籍。同団のパーカッション奏者として重要な役割を担っている。特に、2000年（平成12年）に行われた日本フィルの定期演奏会では、前述のバルトーク作曲『2台のピアノと打楽器のための協奏曲』でソリストとして抜擢され、その演奏は高く評価された。

人物像と活動

シンバルへのこだわり

使用する楽器の中でも、特にシンバルには強いこだわりを持つ。長年にわたり、国内メーカーである小出製作所のモデルを愛用しており、楽器との深いつながりがうかがえる。

拍手について

スティーヴ・ライヒの『クラッピング・ミュージック』を日本に紹介した人物であり、また打楽器奏者として音に対する感受性が高いことから、拍手という行為そのものについても深く考察している。拍手には単なる音だけでなく、感情を伝える力があると説き、その意味や重要性について講演することも多い。

趣味・嗜好

音楽以外の面では、プロ野球の大ファンとしても知られている。特に、阪神タイガースの熱狂的な支持者である。

略年譜

1978年 - 武蔵野音楽大学音楽学部を卒業。
1982年 - 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団に入団。
1993年 - 日本フィルハーモニー交響楽団に入団。

主なメディア出演

テレビ番組にも出演経験がある。

題名のない音楽会（2018年、テレビ朝日）
* タモリ倶楽部（2020年12月4日、2021年4月9日、テレビ朝日）

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