福島市写真美術館

福島市写真美術館：歴史と自然が織りなす写真空間

福島市写真美術館は、福島県福島市中心部の信夫山のふもとに佇む、写真を専門に扱う美術館です。別名「花の写真館」として親しまれ、歴史的建造物と現代アートの融合が魅力的な空間となっています。

秋山庄太郎氏と花見山公園

美術館の設立には、写真家・秋山庄太郎氏の功績が深く関わっています。秋山氏は、福島市渡利にある花見山公園の美しい桃源郷を全国に紹介し、福島の観光振興に大きく貢献しました。その功績を称え、2001年に福島市ふるさと栄誉賞を受賞、その際に寄贈された作品群が、美術館の貴重なコレクションとなっています。美術館内には、秋山氏の功績を称える展示室も常設され、氏の作品を通して、福島の自然美と文化に触れることができます。

歴史的建造物の再生

美術館の建物は、1922年（大正11年）に逓信省電気試験所福島試験所として建設された歴史的建造物です。その後、日本電気計器検定所として使用されたのち、2002年（平成14年）6月に福島市有形文化財に指定されました。石造り2階建て、寄棟造り、瓦葺きの風格ある建物は、大正時代の近代建築を代表する貴重な遺構です。

建物は、上部が柱型を意識したデザインで、玄関周りを外壁面から張り出すことで正面性を強調。屋根上部まで伸びたパラペットやレリーフ、玄関屋根廻りの意匠などが、建物の歴史を感じさせる重要なポイントです。美術館開館に合わせ、1階の内装は建設当時の姿に復元され、玄関や漆喰壁、レリーフなどから当時の面影を垣間見ることができます。

東日本大震災からの復興

2011年3月11日に発生した東日本大震災では、美術館も被災し、約10年間休館を余儀なくされました。しかし、耐震工事を経て、2021年5月29日にリニューアルオープンを果たしました。震災からの復興を象徴する建物として、新たな魅力を備え、市民に愛される空間として生まれ変わっています。

美術館での過ごし方

美術館では、企画展やワークショップなど、多彩なイベントが開催されています。写真を通して、福島市の魅力を再発見できる場として、多くの人に親しまれています。

開館時間: 9時00分～16時30分

休館日: 年末年始（12月29日～1月3日）

アクセス:

公共交通機関: 福島駅から福島交通バス市内循環2コース「福高前」下車、徒歩1分
車: 東北自動車道福島飯坂ICから約15分（国道13号経由）

福島市写真美術館は、歴史と自然、そして現代アートが調和した、魅力的な空間です。福島を訪れた際には、ぜひ足を運んでみてください。

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