福島県道・宮城県道38号相馬亘理線

福島県道・宮城県道38号相馬亘理線

福島県道・宮城県道38号相馬亘理線は、福島県相馬市から宮城県亘理郡亘理町に至る主要地方道です。この道路は、地域の交通を支える重要な役割を担っています。

概要

相馬亘理線は、相馬市の塚の町交差点を起点とし、松川浦を経て太平洋沿岸を北上します。かつては1車線区間が多く、生活道路としての性格が強い路線でしたが、東日本大震災からの復興を経て、その姿は大きく変わりました。

震災前は、JR常磐線と並走する区間が多く、国道6号の代替路として、また高校駅伝などの公道レースにも利用されていました。しかし、震災による津波で甚大な被害を受け、復旧には大規模な工事が必要となりました。

復旧工事では、内陸に移設された常磐線の旧線路盤を活用し、高さ5-7mの盛土道路として再建されました。これにより、道路は津波に対する第二線堤防としての役割も担うことになり、地域の防災に大きく貢献しています。

路線データ

起点：相馬市塚ノ町2丁目（塚ノ町交差点）
終点：亘理郡亘理町逢隈高屋
実延長：31,253m
福島県側：14,164m
宮城県側：17,089.4m

バイパス・新道

前述の通り、常磐線の線路跡地を活用した盛土道路が整備されています。この道路は、復興交付金を活用して建設され、津波に対する防御壁としての機能も有しています。

新地工区

起点 - 相馬郡新地町大戸浜
終点 - 相馬郡新地町埒木崎（宮城県境）
延長 - 3.5km

東日本大震災で大きな被害を受けた新地町内の復旧事業として、2012年度から事業が開始されました。2017年から2019年にかけて順次供用され、全線が開通しました。

坂元・山寺工区

起点 - 亘理郡山元町坂元（福島県境）
終点 - 亘理郡山元町山寺
延長 - 11.2km（坂元工区：3.8km、山寺工区：7.4km）

山元町の被災区間において、2012年度から事業化されました。高盛土構造により、津波に対する防御・減災機能を備えています。2021年3月26日に全線開通しました。

道路施設

小泉橋

全長：31.3m
幅員：8.3m
竣工：1968年

相馬市内の小泉川を渡る橋で、上下対向2車線で供用されています。

浜畑橋

全長：85.7m
主径間：28.5m
幅員：7.5(10.0)m
形式：3径間単純PCポストテンションT桁橋
竣工：1983年

新地町の地蔵川河口に架かる橋で、震災による津波で被災しましたが、架け替え工事が行われています。

曙橋

全長：35.6m
幅員：7.5（10.0）m
形式：PCポステンT桁橋
竣工：1986年度

新地町内の砂子田川河口部を渡る橋です。

歴史

1958年：宮城県が亘理松川浦線として県道認定。
1982年：主要地方道相馬亘理線に指定。
1983年：宮城県が現行の相馬亘理線となる。
1993年：主要地方道に指定。
2021年：「坂元・山寺復興道路」が全線開通。

地理

通過する自治体は、福島県相馬市、新地町、宮城県山元町、亘理町です。

交差する道路

相馬市内では国道115号や国道6号、福島県道375号、福島県道272号などと交差します。新地町内では福島県道389号や福島県道171号と接続し、山元町内では宮城県道44号や宮城県道121号と交差します。亘理町内では宮城県道224号、常磐自動車道、宮城県道10号と接続します。

沿線

沿線には、松川浦県立自然公園、松川浦漁港、相馬中核工業団地、釣師浜漁港、磯浜漁港などがあります。また、震災遺構である旧山元町立中浜小学校も沿線に位置しています。

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