福性寺

福性寺について

福性寺（ふくしょうじ）は、徳島県東みよし町に所在する真言宗御室派の寺院です。山の名前は宝生山であり、本尊は延命地蔵菩薩となっています。この寺院は阿波西国三十三観音霊場の13番札所であり、四国三十六不動霊場の7番札所としても知られています。

この寺は、天長5年（828年）に弘法大師空海によって開かれ、当初は岩屋寺という名で知られていました。寺院は、東西に5町、南北に10町の広がりを持ち、金堂、講堂、谷ノ坊、大日坊、冷泉坊、奥ノ坊、神通坊という7つの堂が立ち並び、八反歩ほどの蓮池があったとされます。しかし、長曽我部氏による天正年間の兵火の影響を受け、歴史的な変遷を遂げました。

寺院の構造

福性寺の本堂には、鎮守社の祇園大権現祠や、ミニ四国霊場の1番と88番の祠、善光寺祠、加茂不動院祠などが設置されています。また、ここには観音堂もあり、子安観音菩薩が祀られています。護摩堂や鐘楼堂も備えられており、訪れる人々にとって安息の場となっています。加茂不動院は福性寺の奥之院であり、四国三十六不動霊場の7番札所としても機能しています。

加茂不動院の意義

加茂不動院の伝説によると、弘法大師が一夜にして彫ったとされる石の波切不動明王は特に神聖視されています。本尊の漆谷不動尊と脇神の不動谷大権現は、病気の回復や豊作を祈るために長年多くの信者から崇敬を受けてきました。加茂不動院へのアクセスは福性寺から約2kmの山道を登る必要がありますが、車で行く場合は周囲の古墳に駐車して歩く方が適しています。

自然の中の信仰

本堂の裏手には小川が流れ、周辺にはさまざまな石仏が点在しています。この渓流の近くには深さ約25mの神通の滝がありますが、雨乞いの対象として古くから信仰を集めてきました。滝の横には不動明王の石像が祀られており、行者たちによる滝行が行われています。

アクセス

福性寺へのアクセスは、JR徳島線の「阿波加茂駅」から徒歩で約20分、または車で約5分という便利な立地にあります。周囲の自然と調和した福性寺は、歴史と文化を感じる場所として、多くの訪問者を魅了しています。自然の美しさに包まれたこの寺院を訪れることで、心の平穏と霊的な充足を感じることができるでしょう。

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