福田侠平

福田 侠平（ふくだ きょうへい）の生涯

福田侠平は、1829年に周防国の長州藩士・十川権右衛門の次男として生まれました。彼の本名は良輔で、後に公明の名で知られることになり、号は悠々でした。若い頃、彼は福田貞八の養子となり、福田姓を名乗ることになります。

軍歴と活躍

文久3年、1863年に彼は35歳の時、下関で結成された奇兵隊に志願入隊しました。元治元年の1864年には書記役として英仏蘭米連合艦隊との戦闘、いわゆる下関戦争に参加し、戦闘後には参謀としての地位が与えられました。さらに、1865年には有名な軍監として山縣有朋と共に働くことになりました。

高杉晋作の功山寺挙兵に対しては一時反対し、彼の試みを止めようしましたが、最終的には高杉を支持し、奇兵隊の士たちを集めて共に戦いました。その後、小倉口の戦いなど、数多くの戦いに参加し、戊辰戦争においては北越戦線から陸奥へ転戦しました。

突然の死

1868年11月14日、戊辰戦争の勝利後、凱旋して下関にいた福田は突然卒倒し、そのまま亡くなりました。彼は祝杯をあげていた際に急逝したとも言われ、酒豪としての性格も影響していたことでしょう。

人物像

福田侠平は戦闘中でも酒を手放さず、戦況が不利になる場面でも冷静に指揮を続けていたとされています。「騒ぐな、あせるな」と述べながら指導を続ける姿勢は周囲の信頼を集めました。また、奇兵隊は20歳代の若い指導者が多く、その中で彼は高杉よりも10歳上であり、より思慮深い相談役としての役割を果たしました。彼の思慮深さから高杉晋作にとっては非常に信頼できる存在だったのです。

さらに、福田は高杉に深い敬愛を寄せ、高杉が亡くなると、遺言により彼の墓の隣に埋葬されました。

関連地

福田の功績や生涯については、下関市立東行記念館で高杉晋作から福田への贈り物となった直筆の詩や自画像も展示されており、彼の歩んだ道を知る手助けとなっています。福田侠平の存在は、明治時代の激動の中で忘れてはならない重要な人物の一人であるといえるでしょう。

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