福田隆

福田 隆（ふくだ たかし）

福田隆は、日本の打楽器奏者であり、洗練された指揮者としても知られています。彼の音楽キャリアは熊本県熊本市から始まりました。東京芸術大学に進学し、打楽器専攻で学びながら、その才能を磨いていきました。大学院を修了した後、福田は1973年からパーカッショングループ「72」（PG72）のメンバーとして活動を開始しました。このグループは、打楽器音楽の普及に力を注ぎ、福田は多くの作品の委嘱や初演に関与しました。

1976年以降、彼はNHK交響楽団などの在京オーケストラで打楽器奏者としての経験を積みました。さらに、九州交響楽団や室内楽、現代音楽祭などにも出演し、幅広い音楽ジャンルでの活躍を見せています。特に1981年には、ギリシャのアテネで開催されたISCM国際現代音楽祭にPG72のメンバーとして参加し、国際的な舞台でも存在感を示しました。

1982年、福田は故郷の熊本に戻り、熊本ユースオーケストラの指揮者に就任しました。その後、彼は熊本大学フィルハーモニーオーケストラ、九州大学フィルハーモニーオーケストラ、長崎大学管弦楽団、熊本交響楽団など、多くのオーケストラで指揮者やトレーナーを務めました。また、地域の和太鼓曲も数多く創作し、指揮しています。特に、和太鼓の『西高太鼓』を1984年に創作し、その後も地域に根ざした音楽活動を続けています。

福田は1985年から、熊本バレエ劇場にて『くるみ割り人形』の指揮を毎年行っており、これにより多くの観客にバレエ音楽の魅力を伝えてきました。1986年には、熊本県文化懇話会の新人賞を受賞し、さらには同年に国際ロータリー財団奨学生としてベルリン・フィルハーモニー管弦楽団・カラヤンアカデミーに留学を果たしました。

この留学期間中、福田は数々の著名な指揮者たちのリハーサルやコンサートに参加し、その指揮技術や音楽的感性を一層磨きました。ベルリン・フィルハーモニーのティンパニ奏者から直接指導を受ける機会にも恵まれ、金管アンサンブルの演奏会にも出演するなど、多彩な経験を積みました。

帰国後、彼は1990年に熊本学園グリーンフィルハーモニックオーケストラの立ち上げ時から指揮者としての役割を担い、活躍の場を広げていきます。1992年には東京都民芸術祭東京シティバレエ『くるみ割り人形』を指揮し、1993年にはザルツブルク・モーツァルテウム・オルフ研究所に留学し、さらなる音楽的な探求を続けました。

個々の打楽器リサイタルも開催しており、1988年から1998年にかけて数回にわたって行われ、聴衆に新たな音楽の感動を届けました。

現在、福田は大分県立芸術文化短期大学の音楽科教授を経て、国立音楽大学音楽学部教授として後進の指導にも力を注いでいます。また、西日本打楽器協会の理事長としても活動し、地域や全国の音楽教育の発展に寄与しています。長崎大学管弦楽団の客演指揮者としても活躍しており、常に新たな音楽的挑戦を続けています。

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