福留貴美子

福留貴美子の経歴と謎の行方

福留貴美子（ふくとめ きみこ）は、1951年12月17日生まれで、よど号グループのリーダーである岡本武の妻です。彼女は高知県香美郡暁霞村（現在の香美市）で育ち、父は自民党系の村議や役員として活動していました。高知県立山田高校では剣道部に所属し、1970年に高校を卒業後、綜合警備保障に就職しました。そこで大阪万博会場での勤務を経て、東京に転勤しましたが、1975年には退職しました。

1974年には幼稚園教諭免許を取得するために東京教育専修学校の夜間部に通い、1976年に卒業しました。友人たちの証言によれば、福留は特定の政治的信条を持たず、北朝鮮に対してシンパシーを抱いていることはなかったとされています。彼女は警察官の採用試験を受けるなど、保守的な立場だったと考えられています。

失踪と北朝鮮への渡航

1976年7月、福留は「モンゴルに行く」と友人に伝え、羽田空港から出国しましたが、その後行方をくらましました。母親は、彼女がモンゴルで事故に巻き込まれた可能性があると考え、捜索願を出しました。しかし、福留はモンゴルに向かうことなく、イギリス領香港を経由して北朝鮮に渡ったと推測されています。

北朝鮮では、岡本武と結婚させられたとされています。さらに、よど号グループの他のメンバーから伝えられたところによれば、福留は北朝鮮で「モンゴルに憧れていた」と語っていたといいます。

1980年3月9日、福留は一度日本に帰国しますが、その後の行動が不明なまま、再び北朝鮮に連れ戻されたと考えられています。彼女は大変複雑な状況の中におり、岡本との結婚やその後の行方については多くの疑問点が残されます。

死亡通告と娘たち

1996年に、福留の父親に対して岡本から手紙が届き、福留が岡本と結婚し、二人の娘が生まれたこと、そして1988年に北朝鮮側から彼らが事故で死亡したとの知らせを受け取ったことが記されています。しかし、福留の家族にはその後も疑念が残り続け、彼女が本当に北朝鮮で死亡したのか、それとも生存している可能性があるのかが議論されてきました。

福留には、1977年に長女、1981年には次女が生まれました。彼女が日本を出てから数ヶ月後には長女を懐妊していたため、公式な帰国時には2歳となっていました。長女と次女は後に日本に帰国することができましたが、その経緯にはさまざまな政治的な影響があるとされています。

拉致疑惑とその後の事情

2004年には、警視庁が福留について旅券法違反容疑で逮捕状を請求しましたが、死後扱いではなく、行方が不明のままの状態でした。一方で、彼女が拉致されたのではないかという疑惑が根強く残り、多くの運動団体が彼女の救出を求める活動を行ってきました。

「救う会」や北朝鮮ウオッチャーは、福留が北朝鮮に自発的に渡ったのではなく、誤って拉致された可能性があると主張しています。警視庁の証言が対立する中、福留の実際の状況について国民の関心は高まっています。

彼女の行方は今もなお不明であり、家族や支援者たちは真相究明を求め続けています。福留貴美子のケースは、北朝鮮による日本人拉致問題の複雑な一面を浮き彫りにしており、さらなる解明が期待されています。

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